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スパイ防止法 市民の自由脅かす懸念

2026年2月7日 05時05分 (2月7日 05時05分更新)

 衆院選ではスパイ防止法制定など国のインテリジェンス(情報収集・分析)強化も争点の一つだ。国際情勢の緊張を理由とするが、「機密保護」を名目に戦後民主主義の基盤である市民の自由やプライバシーが脅かされる恐れがある。私たちは同法の危うさも十分認識した上で投票に臨みたい。
 スパイ防止法の原型は1958年に当時の岸信介首相が日米安全保障条約改定の反対運動を封じ込めるために立案した「防諜(ぼうちょう)法」。自民党は85年にも同趣旨の法案を国家秘密法案として国会提出したが、反対により廃案となった。
 スパイ防止関連法制の制定は自民党と日本維新の会が連立合意書に記し、両党の公約もほぼそれに準じている。内閣情報調査室の国家情報局への格上げ、対外情報機関や情報要員の養成機関の創設、ロビー活動を行う外国代理人の登録制度などを盛り込む。
 野党側では、国民民主党と参政党が昨年の臨時国会に独自のスパイ防止法案を提出。中道改革連合は省庁横断的なインテリジェンス体制の強化、共産党はスパイ防止法への反対を訴えている。
 ただ、政府は昨年8月「スパイ活動野放し」との指摘を否定し、スパイ防止法が必要な立法事実はない。特定秘密保護法や重要経済安保保護法なども制定済みだ。
 スパイ防止法の問題点は、スパイ摘発を口実に裁判所の令状なしで市民を対象にした情報収集や監視が強化され、人権侵害が懸念されることだ。外国と接点のある非政府組織の活動を萎縮させ、外国人排斥を煽(あお)りかねない。
 参政党が言及する「防諜リテラシー」も、市民間の相互監視と通報を奨励した戦前・戦中の国民防諜を想起させる。政府批判を抑え込み、国民を破滅的な戦争に導いた歴史を忘れてはなるまい。
 看過できないのは、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の影響の有無だ。スパイ防止法は同教会系の政治団体「国際勝共連合」の宿願であり、同教会と自民党総裁の高市早苗首相ら党所属議員、候補との密接な関係が指摘される。
 高市氏が、スパイ防止法という「国論を二分する」政策に挑戦するなら、その前提として、旧統一教会との関係について有権者に明らかにしなければならない。

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