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県知事選2017

「敗者」いなかった選挙 白鳥浩・法政大院教授

◆それぞれの訴え一定評価

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 今回の選挙において勝者は川勝平太氏だけで、他は敗者と位置付けてよいのであろうか。そうではない。対立候補の溝口紀子氏も、独自候補の出せなかった自民党も、必ずしも敗者とは位置付けられない。

 溝口氏はスポーツ、女性、子育てといった視点を提示し、投票者の約四割に当たる五十六万票余りを集めた。そうした意味では、「世界レベル」を強調する川勝氏に対し、「身近な政策」の重要性を提起することに成功したといえよう。

 全国的に退潮傾向の続く民進党は、同日に行われた県議補選でも自民党系ではない候補を有権者に選択させるのに一定の役割を示したといえる。この結果は、今週末に行われる都議選への足掛かりを得たともいえ、退潮に歯止めをかける可能性がある。

 国政における「一強多弱」の自民党は、独自候補の擁立に失敗したとはいえ、支部レベルで溝口氏を推薦した。自民系地方議員が応援したことで、溝口氏の得票数は県都静岡市では川勝氏を上回り、これまでの県政運営にお灸(きゅう)を据えた。

 そして何といっても、今回の選挙において最大の勝者であったのは有権者の投票行動とも言えるのではないだろうか。選挙前には投票率が50%未満なら即辞任するという川勝氏の発言もあった。投票率は46・44%と前回より3ポイントほど低いが、必ずしも「全く低い」「低すぎる」とも言えない、絶妙な結果を示した。

 こうして見るならば、今回の選挙に「敗者」はいない。それぞれの訴えは、一定の評価を得ていたといえよう。その意味で有権者の民意のバランス感覚が如実に表れた選挙だったと言えるのではないだろうか。

(寄稿)

 

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