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大腸がんリスク、痛み減らし検査 潰瘍性大腸炎の患者

 国内に20万人の患者がいる難病の潰瘍性大腸炎から、大腸がんになるリスクを簡単に調べられる新たな検査法を開発したと、三重大などのグループが14日発表した。これまでは、内視鏡を使って大腸内の組織を切り取る検査を毎年受ける必要があったが、負担を大幅に軽減できるという。

 潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜がただれて下痢や激しい腹痛が続き、重症化すると入院が必要になる。20代から発症するケースが多く、徐々に進行するが原因不明で根治できず、炎症を抑える対症療法が中心となる。1980年には数千人だった国内の患者数は、食の欧米化などで急増している。

 がん化する危険性も高く、患者の大腸がん発症率は一般の約8倍に上る。がんを見つけるため、発症から8年たつと内視鏡を大腸の奥まで入れて4カ所で腸壁を採取する検査を毎年受ける必要があり、痛みや出血が大きな負担となっていた。

 大学院医学系研究科の問山裕二准教授らは、患者の腸でどのような変化が起きているか遺伝子レベルで解析。がんになると、患部から遠い場所でも、腸壁のDNAに「メチル化」と呼ばれる現象が起きていることを突き止めた。

 さらに大手製薬会社と共同で、患者の遺伝子データを人工知能(AI)で解析し、がん化リスクを判別する手法を開発した。肛門付近の直腸の粘膜をピンセットでわずかに採取し、遺伝子解析すればがんリスクを判定できるという。

 問山准教授らは、検査の精度を確認する臨床研究を進めており、「患者は日常生活でも苦しい上に、毎年大変つらい検査を受けねばならない。早く実用化して負担を和らげたい」と話している。

 (森耕一)

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