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慰安婦像の撤去要請 河村市長、大村知事に

 名古屋市などで開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画で展示されている旧日本軍の慰安婦を象徴した少女像について、河村たかし市長は2日、会場を視察し「日本国民の心を踏みにじるもの」と批判。トリエンナーレ実行委員会長の大村秀章・愛知県知事あてに少女像などの撤去を求める要請書を提出した。

 河村市長は視察後の取材で「表現の自由は相手を傷つけないことが絶対(条件)」と撤去を求める理由を説明。「10億円も税金を使った場所で展示し、あたかも公的にやっているように見える」と主張した。

 企画は「表現の不自由展・その後」展で名古屋・栄の県美術館で1日に開幕した。問題視された韓国人作家制作の「平和の少女像」をはじめ、全国の公立美術館やギャラリーに一度は展示されながら「政治色が強い」などの批判を受け撤去された芸術作品と、その経緯の解説板が展示されている。

 愛知県を事務局とするトリエンナーレ実行委員会には名古屋市も参画し、12億円の運営費のうち2億円を負担。河村市長は会長代行を務めている。大村知事は「事実関係を確認した上でコメントする」とした。

 「表現の不自由展・その後」に対し、開幕から2日間で主催者に電話が400件以上、メールが500件以上寄せられ、多くは批判や抗議だったという。

 実行委は一般の来館者に対しては初日から、撮影した画像の会員制交流サイト(SNS)への投稿を禁止している。だが既に複数の作品画像が拡散。中には、今回出品していない作家の作品など、事実に反する投稿もあった。

 一方、菅義偉官房長官は2日の記者会見でトリエンナーレを巡る国の補助金交付について「決定に当たっては事実関係を確認、精査した上で適切に対応していく」と述べ、慎重に検討する考えを示した。トリエンナーレは文化庁が4月、補助事業に採択。2019年度末に県に約7800万円を交付する予定になっている。

 ◆検閲行為と等しい

 <名古屋大の栗田秀法教授(美術史、博物館学)の話> 「表現の不自由展・その後」は、多様な議論のきっかけとなる場として開かれたはず。税金が投入されているとの理由で公権力の側が問題視するのは、図書館の蔵書への検閲行為と等しい。今後の美術館の活動が著しく阻害されないか危惧する。また公立私立を問わず税金が投入されている大学にも、自由な議論をしにくい風潮が波及しないか心配だ。

 ◆松井市長が河村氏に事前に問題だと指摘

 松井一郎大阪市長(日本維新の会代表)は2日、河村たかし名古屋市長が「あいちトリエンナーレ」を視察し、「平和の少女像」などの撤去を要請したことに関し、自身が事前に河村氏に連絡し、展示が問題だと指摘したと明らかにした。

 「河村氏も日本の軍だけが慰安婦制度をやっていたわけではなく、戦時下の女性の人権侵害だという思いを持っている。われわれの先祖が、けだもの的に取り扱われるような展示物を国民の税で展示されるのは違う」と市役所で記者団に語った。

 (中日新聞)

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