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「越のルビー」夏に収穫増へ ハウス内冷却 県が実験

ハウスの壁面近くに張ったパッド(奥)からの冷風で育つ越のルビー=美浜町の県園芸研究センターで

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 真夏の栽培が難しい県産ミディトマト「越のルビー」などの収穫量を上げようと、美浜町久々子の県園芸研究センターは、気化冷却を利用した冷房装置「パッド&ファン」の実証実験を進めている。厳しい残暑が続く中、ハウス内では赤く色づいたトマトが丸々と実っている。 (高野正憲)

 県は二〇二三年度までに県内の大規模園芸施設の数を三十カ所にする計画で、嶺北での展開に力を入れている。冬の降雪が多く日照量が見込めない嶺北では、日照が豊富な夏場の収穫が必要となることから、冷房装置の実験に踏み切った。

 パッド&ファンは、ハウスの壁面近くの広範囲にパッドを張って水を滴らせ、大型ファンによる排気で作った風を気化冷却してハウス内に行き渡らせる装置。センターでは、三アールのハウスに縦一・八メートル、横一〇メートルの格子状の骨組みを立ててセルロースペーパー製のパッドを張り、直径一・二メートルのファン三基を取り付けて、今年から越のルビーとキュウリの栽培を始めた。装置の効果で、八月は自然換気のハウスよりも室温は五度ほど低くなり、三〇度前後を推移。越のルビーは五月から収穫を始め、収穫期間の三分の一に当たる八月十日現在で、十アールに換算すると六・七トンの収穫を記録した。夏の収穫を避ける従来の栽培法より一割多い、十アール当たり年間十五トンとしていた当初の試算を大幅に上回る成果を上げている。

 装置の設置費は十アール当たり約三百万円。県は今後、新規施設を中心に安価でリースできるようにする考え。センターの佐藤信仁主任研究員は「品薄となる秋の出荷に向けて、全国でしのぎを削って研究が行われている。県として夏越し野菜の技術開発ができれば競争力が高まる」と期待している。

 

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