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おかえりやさいプロジェクトリーダー 岡山 朋子さん商店街の生ごみをたい肥化し おかえりやさいを作って活用

おかえりやさいプロジェクトリーダー 岡山 朋子さん 大正大学人間学部人間環境学科准教授。名古屋大学大学院環境学研究科修了。博士(環境学)。中部リサイクル運動市民の会スタッフ、名古屋大学エコトピア科学研究所特任講師などを経て現職。専門は廃棄物管理、循環型社会政策。容器包装や生ごみの3R(発生抑制、リユース、リサイクル)研究、災害廃棄物の3R研究に取り組む。日・中・韓・インドネシアなどの3R研究も。発足時より「おかえりやさいプロジェクト」のリーダーを務める。

 おかえりやさいプロジェクトは、名古屋市内のスーパーや生協、学校給食、レストラン、ホテルなどの生ごみをたい肥化し、それを使って名古屋市内や近郊の農家で育てた野菜や米を、参加する事業者や学校に戻す取り組みです。名古屋市のごみ非常事態宣言を受けてできた循環型社会をつくる市民会議の提案を基に、2008年に始まりました。

店頭に並べられているおかえりやさい

段ボールコンポストを家庭用に推進

 おかえりやさいは、市場を通して流通しているのですが、生ごみから作ったたい肥「グリーンサプリ」を使った比較的少量の野菜を、大量流通の市場を通して特定の店に届ける仕組みを新たにつくる壁は高く、参加企業はなかなか増えませんでした。

 そんな状況の中、今年から「市民会議の原点に戻ろう」と、一般家庭の生ごみを減らす取り組みを始めました。発生元別では最も多い一般家庭の生ごみを減らすのが筋ではないかと考えたのです。家庭の生ごみは食品リサイクル法の対象外で、全国的にリサイクルはほとんど進んでいません。

 家庭用の生ごみ処理機に補助が出ているところもありますが、1年も経つと使われなくなってしまっているようです。そこで、植物性繊維や炭などを入れた段ボールコンポスト(電気を使わず微生物で分解する、段ボールで作った生ごみ処理容器)を使って生ごみのたい肥化に取り組むことにしました。

商店街ぐるみで生ごみリサイクル

 今年からは、名古屋市瑞穂区の雁道商店街界隈で、コミュニティぐるみで生ごみリサイクルに取り組む活動が始まりました。高齢者ホームや釜飯屋など食品リサイクル法では分別を義務づけられていない小規模の事業者が分別した生ごみを、プロジェクトメンバーのごみ収集運搬事業者組合が収集し、名古屋市港区の工場がたい肥化します。小さい店などは、段ボールコンポストで処理します。できたたい肥は、地元の住民が所有している畑やプランターなどで使うことになりました。

 12月20日の雁道百円商店街では、なごや環境大学の共育講座『「おかえりやさい」を知って学んで味わって楽しもう』を共同開催します。雁道界隈を歩きながら、協力店舗でグリーンサプリやおかえりやさいの百円ショッピングを楽しんだり、釜飯屋のランチではおかえりやさいを味わってもらったりする予定です。

 雁道は、都市のコミュニティの中で生ごみリサイクルの輪が完成する、全国でも珍しいモデルになると期待しています。

コミュニティの成功事例を交換

 生ごみリサイクルのような活動は顔が見える関係の方がうまくいくと思います。おかえりやさいプロジェクトが参加しているアジア3R推進市民ネットワークのフォーラムが12月6日に名古屋市のウィルあいちで開催されます。インドネシアなどコミュニティベースで生ごみの減量や段ボールコンポストの利用などに取り組んで成功している例はいろいろとあります。でも、そうした成功事例を交換する機会はあまりありませんから、コミュニティ同士、NGO同士が意見交換することはとても意味があると思います。

中日新聞朝刊 平成25年11月20日付掲載

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