企画・制作/中日新聞広告局
提供/トヨタホーム

クルマde給電

 日本は世界有数の地震大国であり、かつ近年は地球温暖化の影響から豪雨や大型台風による災害が深刻化しています。防災・減災意識が高まるなか、関心を集めているのがPHV(プラグインハイブリッド車)やEV(電気自動車)などを住宅とつないで電源として利用する、いわゆるV2H(ヴィーツーエッチ=Vehicle to Home)です。これまでは大掛かりな設備を必要としましたが、より身近で、より安価なV2Hとして開発された「クルマde給電」は、PHV(プラグインハイブリッド車)はもとより、HV(ハイブリッド車)に搭載されるAC100V・1500Wアクセサリーコンセントから直接、住宅に電力供給できる業界初の非常時給電システムです。同システムに期待される新しい防災についてトヨタホーム取締役の山根満氏とトヨタ自動車チーフエンジニア田中義和氏にお話を伺いました。

住宅とクルマの両事業を展開するトヨタグループの強みを発揮した「幸せの量産」

山根 満氏

──大規模な災害が日本各地で発生し、災害に対するレジリエンス機能を求める声が高まるなかで、それぞれの取り組みについてお聞かせください。

山根:トヨタホームが商品として提案しているのはまずV2ZEH(ヴィーツーゼッチ=Vehicle to Zero Energy House)。断熱性、省エネ性能が高いゼロエネルギーハウスとクルマをつなげる理想的な住宅です。大容量バッテリーを備えるPHV、EV、FCVの電気を、V2Hスタンドを通して家全体に送ることができるため、停電が数日間続いたとしても、普段通りの生活を送ることができます。しかし、PHV、EV、FCVの普及はまだ少ないため、このようなレジリエンス機能をもっと広く普及させたいという思いから、今年9月に発売したのがクルマde給電です。HVなどに備わるAC100V1500Wアクセサリーコンセントを利用するのが特徴で、料金を工事費込みで30万円台からと従来より大幅に抑えました。

田中:トヨタは、AC100V1500Wアクセサリーコンセントを装備できる車種を拡充していて、今年7月にはプリウスとプリウスPHVそれぞれ全車に標準装備しました。HVやPHVはエコであることに加えて、もしものときの電源になることを、広く知ってもらうためです。その思いの根底にあるのは私たちの使命「幸せの量産」。お客様に安心をお届けして、災害時であっても、いざというときにクルマがあるから大丈夫だと思っていただけることが重要だと思っています。

──トヨタホームとトヨタ自動車がレジリエンス機能で協働することになった経緯をお聞かせください。

山根:2005年にオープンした「トヨタ夢の住宅PAPI(パピ)」を開発するにあたって、家とクルマのさまざまな連携を模索しました。そのひとつがHVで発電した電力を家に供給する仕組み。レジリエンス機能の取り組みとしては先駆けでした。

田中:そうですね。トヨタグループだからこその画期的な取り組みでした。HVは充電をしなくてもいいという点でスタンドアローンなのですが、その頃から外部充電できるPHVの開発に取り組むようになり、住宅との関係を強く意識するようになりました。

──その後の展開、開発についてお聞かせください。

山根:2010年から経済産業省の次世代エネルギー・社会システム実証事業に参画し、豊田市でスマートハウスの取り組みを進めました。家庭内でのエネルギーを有効活用するために、省エネ創エネ機器に加え、V2Hの可能性を検証。これが後に発売するV2Hスタンドにつながっていきます。

田中:その頃、トヨタでは次世代環境車の開発を強化するとともに、低炭素社会の実現に向け、スマートグリッド(次世代送電網)へのアプローチを始めます。その一環として「トヨタスマートセンター」を開発。住宅とクルマ、それを使う人をつないでエネルギー消費を統合的にコントロールするトヨタ独自のシステムです。

田中 義和氏

トヨタ自動車(株)
Mid-size Vehicle Company
MS 製品企画 ZF チーフエンジニア
田中 義和氏/たなか・よしかず

1961年 滋賀県出身
1987年4月 トヨタ自動車株式会社入社
2006年3月 プリウスプラグインハイブリッド開発を担当、翌年より開発責任者
2012年1月 燃料電池車(FCV)開発責任者
2018年1月 燃料電池車(FCV)・プリウス・プリウスプラグインハイブリッド開発責任者

山根 満氏

トヨタホーム(株)
取締役・技術開発センター長
兼 技術開発センター商品開発部長
山根 満氏/やまね・みつる

1962年 名古屋市出身
1990年4月 トヨタ自動車株式会社入社
2008年1月 同社住宅技術部長
2010年10月 転籍トヨタホーム株式会社技術部長
2012年1月 同社理事・技術部長
2015年6月 理事・商品開発部長
2016年6月 常務理事兼技術開発センター商品開発部長
2019年6月 取締役・技術開発センター長兼技術開発センター商品開発部長

普及に向けて、コストの低減と優れた安全性を両立

田中 義和氏

──クルマde給電を開発するにあたって、どのような課題があり、それに対して苦労したことはありましたか。

山根:普及版を市販するとなると、安全性を確保しながらコストを下げることが求められます。V2ZEHのノウハウがあるからといって、すぐにクルマde給電に展開できるかといえば、事はそう簡単ではありません。むしろ別次元です。2013年に制定されたV2Hガイドラインの安全性要求に対応するために、例えば住宅側には地格検出回路が必要であったり、クルマ側には給電中の誤発進防止のための安全装置が必要であったり、更にその上でコストの問題がのしかかるわけですから、相当苦労しました。

田中:住宅とクルマそれぞれ単体で見れば、特に目新しい部分はないのかもしれません。ですが、それがコラボすることで、お客様からするとすごく大きな付加価値になります。ただ、それを実現するにあたっては山根さんがおっしゃったように、いかに安全に、安心して使っていただけるかが最優先事項になります。

山根:課題が多かったとはいえ、トヨタグループだからこそ、ここまでできたという自信はありますね。クルマde給電の対象車種はトヨタ車の13車種、レクサス社3車種の合計16車種です(2020年10月1日現在)。

──来年3月は東日本大震災から10年となります。新しい防災への取り組みがあればお知らせください。

田中:冒頭で外部給電できる100Vコンセントをプリウスに標準化したとお話ししましたが、他にも多くのHV車にオプション設定されています。一方で過去の災害で外部給電がほとんど使われていなかったと聞きます。その状況を踏まえて私たちは、使い方も含めて外部給電の周知活動を進める計画です。それと公助。お互いに助け合うところでHVやPHVは活用できるので、自治体や販売店と協力して防災拠点のネットワークを広げていく考えです。

山根:愛知県みよし市の大型分譲地「MIYOSHI MIRAITO(みよし みらいと)」でクルマde給電を展開しています。この分譲地は、プライムライフテクノロジーズ(PLT)グループのパナソニックホームズやミサワホームなどが参画しており、今後の開発案件でも水平展開を検討しています。これからも住宅とクルマの両事業を展開するトヨタグループの強みを発揮し、社会課題の解決に貢献したいと思います。

田中 義和氏(左)と山根 満氏
スタイルの設定

文字の大きさ

デバイスモード