市民公開特別プログラム「目の健康講座」 人生100年時代、目の健康で楽しくイキイキと

企画・制作/中日新聞広告局

 「白内障」は加齢に伴い多くの人が発症するありふれた病気ですが、進行すれば日常生活が著しく損なわれます。「人生100年時代」の到来を迎え、健康長寿を謳歌するためには、病気に関する正しい知識を身に付け、活用することが大切です。そこで、健康寿命を脅かす代表的な目の病気「白内障」をテーマに、その基本知識を2回にわたり眼科専門医の先生方に教えていただきました。

第2回 白内障の治療法は?

中京眼科 視覚研究所 所長 市川一夫先生

白内障手術の前に心掛けてほしいこと

 「白内障」の治療には点眼薬と手術がありますが、点眼薬は白内障の進行を遅らせることはできても治すことはできません。根本的に治したい場合には手術を選択します。白内障の手術は、水晶体の核と皮質を超音波で砕いて吸引し、水晶体に代わる「眼内レンズ」を装着するのが一般的です。

 近年、白内障手術について知られるようになり、「日帰りで手術できるなら明日受けたい」「免許更新時、視力検査で不合格になったから早急に手術してほしい」などとおっしゃる患者さんがおられますが、手術が短時間でできるからといって簡単なものだと思われているとしたら、それは大きな誤解です。

 まず、患者さんの白内障が老化によるものなのか、他の病気との関連はないか、白内障以外の目の病気が隠れていないかなど、検査を通してしっかり確認する必要があります。また、手術自体は身体への負担が小さいものですが、高血圧や糖尿病、アレルギーなどの持病がある方は、状態を把握してさまざまな準備をする必要があります。

川本眼科 院長 川本 英三先生

治療後も定期的な目のチェックを!

 検査で問題がなければ、水晶体の代わりに入れる「眼内レンズ」の度数を決めます。現在、保険適用となる「単焦点」の眼内レンズの場合、患者さんが遠くを裸眼で見たいのか、近くを見たいか、最も合わせたいピントに眼内レンズの度数を合わせ、それ以外は眼鏡を使用することで補います。しかし、一言で「近く」「遠く」といっても幅広く、最適な焦点に合わせるには、患者さん自身が自分のライフスタイルについてよく考え、どんなニーズがあるかを正しく主治医に伝えることが必要です。

 一度入れた眼内レンズは、簡単に取り出せるものではありません。後悔しないためにも、待ったなしの状態で眼科に駆け込むのではなく、早い段階から眼科を受診し、治療方針を眼科医としっかり話し合うことで、適切な治療の選択につなげてください。

 眼内レンズには、ほかにも乱視を矯正する機能を持つものや、術後できるだけ眼鏡を使いたくないという人のための「多焦点レンズ」があります(保険適応外)。これらを検討する場合も、メリットに注目するだけでなく、デメリットも含め主治医の説明を理解したうえで、納得して選択することが大切です。

眼科医としっかり相談し 納得できる治療を!

 白内障の手術を受ければ、治療は終了します。しかし、術後に合併症が起ることもあり、眼内レンズに慣れて視力が安定するには時間もかかります。さらに、白内障が治っても、別の目の疾患により視力に支障をきたしたり、水晶体が入っていた袋の後ろ側が濁って見えづらくなる「後発白内障」を発症することもあります。何か問題が起きたとき早期に適切な対応をするためにも、手術を受けたからといって安心せず、定期的に目のチェックを受けてください。

 白内障の手術を受ける患者さんは、70歳代、80歳代の高齢者が多く、術後には「自分が打ったゴルフボールが、目で追えるようになった」「お化粧をするのが楽しみになった」など、喜びの声が寄せられ、健康長寿を満喫されている様子がうかがえます。

 もし、視力の異常を感じながらも、歳だから仕方ないとあきらめている方がいたら、迷わず眼科を受診してください。早期に適切な対応をすることで、人生100年時代を、生き生きと楽しんでいただきたいと思います。