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中日文化賞

名城大大学院教授 福田敏男氏

2019年5月3日 朝刊から


ロボット工学の先進的研究と応用 医学分野で異才発揮

名城大大学院教授 福田敏男氏

名城大大学院教授 福田敏男氏

 細胞の中を調べたり、血管内で手術したり、地雷を探知したり。さまざまな分野の人々と組み、医療や産業、人道目的などで数え切れないロボットを作ってきた。

 「この研究の面白さは、世の中にない『あったらいいな』を思い浮かべ、作り出すこと」と語る。

 ロボットに憧れたきっかけは、幼い頃に病床で読んだ漫画。大空を飛んで活躍する正義の味方「鉄腕アトム」に心ひかれ、ロボット工学を志した。

 マイクロロボットの先駆者だが、始まりは皇居の外堀の水。顕微鏡でのぞいたら大量のプランクトンがいて、捕まえたいと「マイクロハンド」の開発を思い付いた。電圧をかけると伸縮するピエゾ素子を手にいれ、半導体のエッチング技術で小さくつくり、ミクロレベルの動きをかなえた。

 「研究はヒューマンネットワーク」が持論だ。1989年に名古屋大へ移ると医学部の教授に請われ、共同で血管内に入るマイクロ手術ロボットを開発。さらに女性の全身の血管を忠実に再現し、医師の訓練にも使える血管内手術シミュレーター「EVE(イブ)」も製作した。2013年から名城大大学院の教授になり「生活の質を上げるため、生体とロボットを融合させたものを作りたい」と夢を追う。

 気さくな人柄とバイタリティーで人の輪を大切に、秀でた成果を生み出してきた半生。これまで育てた博士は100人を超える。国外の研究者からの人望も厚く、43万人の会員を抱える米国電気電子学会「IEEE」で、20年にアジア人初の会長に就任する。

 富山市出身。「青空と白い立山連峰を見るたびに帰ってきたなと思う」。歴史本を手に史跡を巡るのが趣味。名古屋市昭和区在住。70歳。

 (社会部・芦原千晶)

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