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静岡ニュース

静岡県民の声

◆改憲、原発 期待と注文

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 塗り替えられた勢力図の下、この国はどこへ向かうのか。三年前に国民の信任を失った自公政権が復活し、改憲を唱える新勢力の維新が第三党に躍り出た衆院選。最終議席が確定した十七日、静岡県民からは新政権への期待や注文とともに、“勝ちすぎ”による暴走を心配する声も上がった。

 「自民は前回大敗したし、総裁の安倍(晋三)さんは病気で首相を辞めたこともあるので、ここまで勝つとは思わなかった」。浜松市西区の美容師木下八重子さん(76)はこう驚きながら、「失敗を生かして良い政治を」と声援を送った。

 「まとまった勢力でないと物事は進まない」と自公圧勝を喜ぶのは同区の建設業加藤一正さん(54)。「尖閣や竹島の問題を考えると、国を守る姿勢を強く打ち出す必要がある」と改憲にも前向きで、集団的自衛権行使の道を開こうとする安倍総裁に支持を寄せる。

 富士市原田の主婦勝山浩子さん(48)は、多数を占めた改憲派や保守派の論調が勢いづき、右傾化に歯止めがかからなくなる事態を不安視する。「憲法九条を変えて日本を戦争に引きずり込みかねない」。二人の娘がいるだけに「子どもの命を危険にさらすようなことは絶対にやめてほしい」と話す。

 静岡市葵区のNPO法人代表柴田弘美さん(54)は「古い政治に戻ってしまう」と危ぶむ。懸念材料に挙げるのが消費税増税だ。「必要な政策に使われるならいいが、信用できない気持ちもある。使い道をはっきりさせてほしい」

 浜松市南区の主婦本多マツ江さん(74)は自民に「謙虚さを忘れないで」と注文する。衆院選では人柄重視で自民候補を選んだ。しかし、原発再稼働や憲法改正など賛成できない政策も少なくない。

 「こんなに勝つとは思わず、一抹の不安もある。全てを支持したわけではない」と戸惑う本多さん。掛川市の茶農家永田康弘さん(34)も「国民が自民に政治を白紙委任したわけではないと肝に銘じて」とくぎを刺した。