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静岡ニュース

浜松の外国籍青年ら 政治参加に手応えと壁

◆県内候補に質問状 7人が回答

 自民党の大勝に終わった衆院選で、静岡県内の立候補者に質問状を提出した浜松市の外国籍の若者たちは、16人中7人から回答を得た。選挙権がないまま、政治参加の壁に挑んだ独自の“選挙戦”。与党候補からの回答がないなどあらためて壁の厚さを実感しつつ、「次は候補者たちと直接話したい」と前進への確かな手応えをつかんだ。

 質問状は多文化共生をテーマに、ブラジル国籍などの20代の浜松市民らでつくる「マイノリティー・ユース・ジャパン」(MYJ)が8日に提出。当初予定していた3、7、8に5区を加え、外国人が多く住む計4小選挙区の候補者18人のうち連絡が取れた16人に届けた。

 回答は自民の2人と共産の3人、維新とみんなのそれぞれ1人から寄せられた。

 外国人が集住する地域に中学校の夜間学級を設けるべきかを聞く質問は、条件付きを含め7人全員が「そう思う」と答えた。MYJ代表で通訳業、ナダヨシ・パブロ・ロリンさん(23)=中区=は「中退して大人になってから戻りたいと考えている外国人はたくさんいる」と喜ぶ。

 また外国人の地方参政権や大学入学の優遇措置では、否定的な回答も目立ったが、理由を説明する候補もいた。副代表で浜松学院大2年、内山ワリソンさん(22)=同=は「僕たちを『住民』と見なしてきちんと説明している。もっと話し合えばどんどん前に進む」と声を弾ませる。

 一方で4人の民主党候補からの回答はなかった。同党は地方参政権を議論するなど外国人問題に関心があると見られただけにメンバーを落胆させた。

 想定外だったのは、回答をホームページ上で公開できなかったこと。MYJを支援する浜松学院大の津村公博教授(51)が、市選管に問い合わせたところ、公職選挙法に抵触する恐れがあると告げられた。

 総務省によると、法定外の文書・図画の頒布と見なされるインターネット上での選挙運動に当たる可能性がある。メンバーからは「特定候補の応援ではない。回答を評価するわけでもないのに」と疑問の声が出たが、見送らざるを得なかった。

 ただ津村教授の授業で活動の報告会を開き、日本人の有権者に結果を知らせることはできた。ナダヨシさんは「外国人問題が政治の争点になっていないことが一番の壁。これを少しずつ崩していけたら」。津村教授は「彼らが社会に参加すれば多様性が高まり日本はダイナミックに変わっていく」と話す。若者たちの挑戦は、始まったばかりだ。

(立石智保)