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静岡ニュース

流動票は維新へ 静岡県立大・前山亮吉教授

前山亮吉教授

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 予想通り、民主は本県で敗北した。では、復活した自民優位の実体はいかなるものか、都市・保守地盤と対照的なカラーを持つ県西二選挙区を題材に、総選挙結果を分析する。

 県内選挙区の中でも、浜松市中心部の8区は、票の流動性が大きく、常に注目を集める。二〇〇三年に十万票でほぼ肩を並べた自民・民主の票は、その後の選挙戦に吹く風で大きく流動した。小泉選挙の〇五年では自民が十二万票、政権交代選挙の〇九年では、逆に民主が十二万票を獲得した典型的な都市型選挙区である。今回は自民が議席を奪い返したが、得票は九万票と過去の当選ラインを下回った。自民党は流動票をつかんではいなかった。

 流動する票の行き場は、民主を離れ、自民に戻らず、主に日本維新の会であった。準備期間が短かったにもかかわらず五万票を得たことは、二大政党中心で推移してきた8区投票行動の新たな変化として注目に値するが、定着するか否かは来年の参院選次第であろう。

 これまで十三万〜十五万票を得て、危なげなく連続当選していた自民の強い地盤が前回崩れた3区も注目区である。自民新人が激戦の末、議席を復活させた。それでもその得票は九万票であり、地盤が完全復活したとは言い難い。ここでも維新の候補が、原発問題を軸に非自民票の受け皿となった。

 総じて言うと今回の自民党勝利は、投票率低下・候補者乱立という好条件が重なった結果にすぎない。本県での自民優位復活も、かつての盤石な土台に基づくものとは言えない。

(政治学)