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静岡ニュース

小選挙区候補の動きを追う 5区、6区

◆不在の前職 若手迫る 5区

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 「選挙戦はきわめて厳しい。若手の追い上げを受けている」。誰もいない舞台から、細野豪志さんの切実な声だけがこだました。十日に裾野市民文化センターで開かれた演説会。滞在先の福島県と電話で結ぶ異例の方法で、参加者に支持を訴えた。

 党政調会長として全国を遊説する細野さんが公示後、地元入りできたのは八日の一回だけ。代わりに県選出の参院議員で盟友の榛葉賀津也外務副大臣や渡部恒三元衆院副議長が、富士市や裾野市で応援演説を繰り広げてきたが、陣営からは候補者不在の戦いに不安の声も上がる。

 5区の有権者四十五万八千人のうち、四割を抱える大票田の富士市を受け持つ西山延正選対本部長は「候補者の顔が見えないのは厳しい」と漏らす。投票日に向けて、従来の支持基盤の労働組合を引き締めて、議席を死守する構えだ。

 対抗馬の最有力に挙げられた吉川赳さんは、街頭演説やミニ集会、企業回りを精力的にこなしてきた。九日に甘利明政調会長、十三日に三原じゅん子参院議員が応援に駆けつけ、十四日には安倍晋三総裁の選挙区入りする。前回選までの四回、党の候補者は細野さんに連敗してきただけに、党を挙げてもり立てる。

 七月の出馬表明後、千カ所以上の企業を訪ね歩いたという吉川さんは「手を伸ばせば相手の背中に触れるところまで来ている」と手応えを口にする。

 民自の二大政党に対抗して、脱原発と消費税増税反対を掲げてきた大庭桃子さんは、党支持者を固めることに懸命。一日十回以上の街頭演説をこなし、支持なし層への浸透も図る。報道各社の世論調査で、国防軍の創設を掲げる自民党が優勢との結果が出たことを受け、主張の中心は護憲に転換。「九条を守る」と強調する。

 出馬表明が公示直前の十一月と出遅れた石下久雄さんは「5区では私が第三極。既成政党に不満を持つ層を取り込みたい」と強調。環太平洋連携協定(TPP)への参加や憲法改正などを主張している。

 吉川  赳 30 自新

 細野 豪志 41 民前<4>

 大庭 桃子 56 共新

 石下 久雄 58 無新

◆自民新人 攻勢掛ける 6区

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 「これほど厳しい選挙はなかった。あの新人候補にぴったり並ばれている」。十二日夜、沼津市内で「大必勝集会」と銘打って開かれた渡辺周さんの個人演説会。約五百人の支持者を前に、榛葉賀津也外務副大臣が危機感を口にした。

 「あの新人」とは、伊豆半島を中心に支持を広げる勝俣孝明さんだ。6区の有権者数は約四十四万人。ほぼ半数を占める沼津、長泉、清水の一市二町で支持を固める渡辺さんに対し、勝俣陣営は「(一市二町以外の)伊豆半島では、うちが有利か、最悪でも互角」と自信を見せる。

 民主への逆風を生かそうと、勝俣さんは党を前面に出して攻勢を掛ける。これまで甘利明政調会長、県内に拠点や人脈を持つ片山さつき、佐藤ゆかり両参院議員が相次ぎ選挙区入りし、十四日には安倍晋三総裁も駆け付ける。

 これに対し、渡辺陣営は「どこの党がいい、悪いではなく、実績と人柄で選んでもらう」と人物本位の戦いを強調する。

 従来の支持層以外の掘り起こしを狙う井口昌彦さんは、個人演説会を二回開いたほかは、くまなく歩いて訴える遊説に徹する。6区内で最も党組織が強い伊豆の国市を基点に活動。伊豆地区では「シイタケの風評被害も起こした原発とは共存できない。共産党は五十年前から反原発だ」と、自民支持者の多い農業関係者へのアピールも図る。前に出馬した二〇〇〇年の衆院選と比べ、井口さんは「手応えは大きい」と語る。

 知名度や組織づくりで他の候補に後れを取る日吉雄太さん。仲間の公認会計士や家族らに支えられた選挙戦だったが、公示後、脱原発や震災がれきの受け入れ反対を掲げる市民団体が「支援したい」と名乗りを上げた。その手助けで、当初予定になかった個人演説会も沼津市で開催。参加者からは「どうすれば支持を広げられるか」と意見が飛び交い、即席の選挙対策会議の様相となった。脱原発票の受け皿になろうと、市民団体の横のつながりを生かして浸透を図る。

 渡辺  周 51 民前<5>

 勝俣 孝明 36 自新

 井口 昌彦 58 共新

 日吉 雄太 44 未新