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静岡ニュース

期日前投票 県内で軒並み減

低迷が心配される投票率。新静岡駅にはマット型の選挙広告が敷かれた=10日、静岡市葵区で

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 十六日投開票の衆院選は十二党が乱立し、党首級のはなばなしい論戦で盛り上がる一方で、静岡県内の候補の陣営関係者や選管の担当者らから低投票率を懸念する声が出ている。県選管が十日発表した期日前投票者数は、二〇〇九年の前回より一万人以上も少ない。原因として、多党乱立で選択の幅が広い半面、投票先を決めかねている有権者が多いとの指摘がある。

 県内の九日までの期日前投票者数は六万三千五百四十一人で、前回同時期に比べ一万七十二人(14%)減。県選管は投票率アップに向け、十日からテレビの十五秒スポット広告を放送。十二日にJR浜松駅、十四日にJR静岡駅で、県内の大学生とともに通勤通学客に使い捨てカイロを配り、投票を呼び掛ける。十五日には新聞八紙に啓発広告を掲載する。

 静岡市選管の担当者は「前回並みの投票率68%台が目標だが、達成は難しいかもしれない」と心配する。

 「週末も冷え込んだことが影響したのか」と浜松市選管の小出裕一事務局長。同市の期日前投票も13%減った。「盛り上がる選挙では、陣営や市民からいろんな問い合わせがくる。事前ポスターが張りっぱなしで違反じゃないか、とか。だが今回はあまりない」と市民の反応に低調ムードを感じている。

 選管からは急な衆院解散で「投票啓発まで手が回らない」と本音も漏れる。

 袋井市選管の担当者は「通常は二カ月ほどかけて選挙準備をするが、今回は解散から投開票まで一カ月しかない」と疲労困憊(こんぱい)の表情。チラシを配ったり、同報無線で投票を呼び掛けたりといった通常の啓発活動はしているものの、新たな作戦を立てる余裕はないという。

 「有権者が政治への期待を失い、政党乱立で選べない」。候補者側からも投票率低迷の予想が出ている。3区の陣営関係者は「投票率アップはうちの候補の票にもつながる。空中戦でなく、たくさん歩いて支持を訴える地上戦で戦わなくては」と有権者とのスキンシップを重視する。

 1区の新人候補は「世論調査によると、まだ六割が決めていないわけだから、政治をあきらめている人が、しっかりと訴えを理解してくれれば、自分たちの方に向いてくる」と投票率アップに期待を込めた。

 別の候補者は十日、自身の支援者やその友人ら二十〜三十代の有権者約十人とともに、静岡市内で期日前投票した。候補者は「投票に行かない若い人が多い。若い人に少しでも選挙に関心を持ってもらいたいという意図がある」と理由を説明した。

◆低調…三つの理由

 前山亮吉・静岡県立大教授(政治学)の話 投票率は下がる可能性が極めて高い。悪ければ60%を下回るかもしれない。理由は三つある。一つは、前々回の郵政選挙、前回の政権交代選挙に比べて選挙後の展望が見えず、有権者にとって自分の一票がどう生かされるかはっきりしない。二つ目は政治不信。小泉純一郎元首相や民主党に改革を期待した新しい有権者や無党派層は改革への挫折感がある。最後は年の瀬の選挙だから。十二月は投票率が下がる例が多い。