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静岡ニュース

小選挙区候補の動きを追う 1区、2区

 衆院選は十日、後半戦に入った。十二党の乱立を受けて、県内も六党が公認候補を立て、三十五人が激しい選挙戦を繰り広げている。各党の党首級が続々と静岡入りすると、有権者も千人、二千人と集まり、高い関心を見せる。十六日の投開票に向けて走り続ける候補らの動きを、小選挙区ごとに追った。

◆多党乱立 大物も応援 1区

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 野田佳彦首相を一目見ようと、聴衆が埋め尽くした。六日、静岡市葵区呉服町の交差点。首相の応援を受けた牧野聖修さんは手応えを口にした。「野田さんの真面目で一生懸命な姿に皆さんが共感してくれている」

 新聞各紙の同日朝刊が劣勢を伝えた。「民主党をバッシングしているだけではだめ。政治を落ち着いて考えよう。選挙戦に入り、そんな声が届く」。選挙戦では政治とカネの問題をテーマに自民批判に力を入れ、逆転を期す。

 一方、優勢とされた上川陽子さんはがっちり組織を固めた。四日の出陣式では、推薦を受ける公明党の県議や市議、JA幹部も顔をそろえた。上川さんは環太平洋連携協定(TPP)交渉参加への反対などを訴え、配慮を見せる。

 支援するベテラン市議は「ダメだったら、政治生命が終わるぐらいの覚悟でやってきた」と太鼓判を押す。

 既成政党への批判を強めて存在感を出そうとしているのが小池政就さん。「みんなの党はぶれない。どこかの風になびく集団ではない」と強調する。

 ただ、公示直前に尾崎剛司さんが出馬を表明したため、第三極が票を奪い合う構図となった。小池さんの陣営関係者は「いまさら言っても仕方がないが、結局は民主、自民を利するだけ」と嘆く。

 対する尾崎さんは維新の看板を前面に出す。てこ入れとして熱望してきた橋下徹代表代行の静岡入りが九日実現。陣営関係者は「二千人を超す人が来てくれて、予想をはるかに上回った」。

 橋下氏は応援演説で「静岡県から日本を変えよう」と呼び掛けた。尾崎さんは「維新の風が静岡でも吹くように、一人でも多くの人に訴えを伝えたい」と決意を新たにした。

 多党乱立の中、河瀬幸代さんは変わらぬ主張を続ける党の存在感、意義の訴えに時間を割く。応援で静岡入りした小池晃党政策委員長も「反原発や消費増税反対を一貫して主張してきた元祖の共産党が有権者に新鮮に映っている。この魅力を押し出したい」と話した。

 小池 政就 38 み新

 上川 陽子 59 自元<3>

 牧野 聖修 67 民前<4>

 河瀬 幸代 61 共新

 尾崎 剛司 36 維新

◆脱原発票 行方に注目 2区

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 「東日本大震災後、一番被災地に寄り添っていた議員。防災対策を分かっている津川が必ず必要になる」。六日、津川祥吾さんの応援に駆けつけた野田佳彦首相が、JR藤枝駅前で千人の聴衆に声を張り上げた。

 首相だけでなく細野豪志政調会長、枝野幸男経済産業相に輿石東幹事長と、公示後一週間で党の大物が続々と2区に入った。「事業仕分けや被災地復興で実績がある津川への期待の表れだろう」と陣営幹部は話す。

 津川さんも街頭では国土交通政務官として被災地に三百日以上入った経験をアピール。防災対策の必要性を訴え、現職時に多忙で地元入りできなかった遅れを取り戻そうと懸命だ。大票田の藤枝でいかに支持を集めるかが四選への鍵となる。

 井林辰憲さん陣営は自民優位とされた世論調査を受け、組織の引き締めに躍起。「厳しい選挙戦。勝てるほどリードしていない」。九日に島田市であった総決起大会では、陣営幹部らが支援者三百人に警鐘を鳴らした。

 公明党とも連携しながら、JAや商工会の票を固める組織戦を展開する。十一月の市長選で自民系新人が六千票差で民主系現職を下した焼津ですら「選挙疲れなのか緩んでいる感がある」(陣営幹部)との声が漏れる。

 二年半前から約千五百回の街頭演説をこなしてきた井林さんは「自分は新人候補。支持政党のない層にも政策を丁寧に説明して顔を売り込んでいく」と話す。

 諸田洋之さんは道州制導入や身を切る経済政策の必要性を街頭で訴え、「既成政党は嫌だという声が思いのほか多い」と手応えを口にする。出身地の焼津、居住地の藤枝を中心に第三極支持者の取り込みを図る。藤枝で橋下徹代表代行の応援演説が実現すれば、支持はさらに広がると期待する。

 四ツ谷恵さんは浜岡原発廃炉など脱原発の主張を柱に選挙戦を展開。本紙の世論調査では2区は有権者の脱原発政策への関心が県内で最も高く、支持が広がる下地はある。一方、民主、自民への批判票が維新候補に流れるのを食い止めようと街頭での訴えに力を入れている。

 津川 祥吾 40 民前<3>

 諸田 洋之 46 維新

 井林 辰憲 36 自新

 四ツ谷 恵 60 共新