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長野ニュース

推薦は政策で判断 県内業界団体に変化

 16日投開票の衆院選をめぐり、人的支援などで選挙にかかわってきた県内業界団体の動向に変化が出ている。自民党支持色が濃かった団体の一部は2009年の政権交代を機に、推薦基準を政党から政策重視に変更した。今回は全国的に民主党劣勢、自民党優位が伝えられる中、地域の政治情勢に配慮して「全方位外交」を続ける団体もある。

 県医師会の政治団体「県医師連盟」は衆院選を前に、選挙区ごとに置かれている支部が推薦依頼のあった候補者と政策協議して対応を決めた。県内小選挙区では自民党候補五人全員を推薦したほか、民主党候補三人、日本未来の党候補一人を推薦し、選挙区によっては複数候補を推す形となった。政策で推薦の可否を判断したのは初めてという。

 県医師連盟はかつて自民の職域支部に所属し、自民党政権を支えてきたが、政権交代後の一〇年に離脱。同年七月の参院選では、民主、自民双方の候補を推薦した。

 医師連盟の担当者は「ベースは自民だが、党というより個人を見て、お願いする政策を実現できる人を推薦する。例えば環太平洋連携協定(TPP)に賛成する人を応援するのは難しい」と話す。

 JAグループの役員や幹部職員らでつくる政治団体「県農政同友会」は、以前から推薦基準は政策重視とする。今回は「農家やJA側に立った政策を持っているかどうかを考慮した」と、民主党候補一人と自民党候補二人を推薦した。推薦候補には候補の後援会への勧誘を手伝ったり、集会への参加を呼び掛けたりして応援を惜しまない。

 県建設業協会は、前回参院選で自民新人候補に加えて民主現職候補に推薦を出した。協会の担当者は「当時は政権与党としての実績を考慮した」と説明する。

 今回は一転、県内五選挙区で自民党候補のみを推薦する。「民主党政権の三年間で公共事業は少なくなった。自民党が主張するように必要な公共事業はするべきで、地方では雇用問題にも直結する」と、民主党政権による公共事業削減を理由に挙げた。

 県トラック協会の政治団体「県運輸政策研究会」は「民主、自民、公明各党の候補には依頼があれば推薦を出す」という方針で、自民党政権時代から態度を変えていない。

 担当者は「県内はもともと民主党が強い土地柄で、会社によって支持する政党も違う。今回は業界に大きな影響を及ぼす争点がなく、自民と民主双方を推薦せざるを得ない」と明かす。

 県薬剤師会の政治団体「県薬剤師連盟」は自民党候補五人に推薦を出したが、連盟支部によっては他党候補に推薦を出す選挙区も。担当者は「これまでのお付き合いなどもあるので」と事情を説明している。

(衆院選取材班)