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長野ニュース

<決戦迫る>1区

 長野1区は前回小選挙区で初勝利した民主前職篠原孝に、公募で決まった自民新人小松裕が議席奪還をうかがい、共産は新人武田良介が初めての選挙に挑む構図だ。

 篠原は四期目を目指す戦い。前回選挙では反自民の追い風に加え、政権交代やマニフェスト(政権公約)への期待感もあって、自民候補だった小坂憲次(現参院議員)に圧勝した。

 今回は一転して逆風にさらされ「ずぬけて厳しい選挙だ」と表情をこわばらせた。公民館などで会合を重ねて政策を訴える戦略で「新しいマニフェストを訴えても有権者の信頼は得られない。各候補が党の立て直しを訴える必要がある」と危機感を募らせる。

 再生可能エネルギー推進による脱原発社会の実現や、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加反対など自身の一貫した主張を続けて浸透を図る。

 前回議席を失った自民は、県連が候補者選考に苦慮し、十月二十日になってようやく小松の擁立を決めた。

 公募で選ばれた小松は、東京でスポーツドクターとして活動してきた。出身も諏訪市で、1区内の知名度は低い。県連は小坂、若林健太両参院議員の後援会が小松を支える体制を構築し、両議員や地元県議らを通じた支持者回りで知名度向上を図る。

 県連からの出馬要請を固辞し続けた小坂は「1区の人間として、できることはすべてやる」と小松を先導する。擁立から選挙までの準備期間は二カ月弱とわずかだが、小松は「たくさんの人に会って、名前を覚えてもらう」と支持を訴える。

 国政初挑戦の武田は、出馬表明した一月以降約百カ所でミニ集会を開いた。街頭演説は原発即時停止などで民主、自民との違いを強調。有権者の生の声を織り交ぜながら、中山間地域はTPP問題を、都市部では子育てや領土問題をそれぞれ主に訴える。

 特にTPPは「農業の盛んな北信地域では死活問題」とし、出身地の中野市を中心に各地のJAと懇談を重ねる。参加反対を訴える医師会にも働き掛けるなど、共産党と距離があった団体へ接近を図る。

 三十代という若さも武器。陣営幹部は「若者の就職難や労働環境の改善を訴え、若者への浸透を図りたい」と意気込む。 (敬称略)

 十二月四日公示、十六日投開票の衆院総選挙に向け、県内の立候補予定者は精力的に選挙区内を回り始めた。民主、自民の二大政党や共産、社民、さらに国民の生活が第一やみんなの党の「第三極」も加わって構図は複雑化し、争点となりそうな課題も多岐にわたる。選挙区ごとに、十八日までに表明している主な立候補予定者の動きを探った。(衆院選取材班)