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三重ニュース

候補者の横顔 <4区>

◆森本哲生さん(63) 民前 「義」を大事にする人柄

 「田舎に来ると政治家のすべきことが見えてくる」。五十五歳で初当選し、二期目に大臣政務官や党の役職を務めても「田舎の代弁者」という軸はぶれることがない。会合や祭り、行事を時間の許す限り回る。住民の声に耳を傾ける姿に、周囲は親しみを込めて「てっちゃん」と呼ぶ。

 地元に根差す政治姿勢は県議になる前に培われた。県議選出馬を打診されたのは旧飯南町役場に勤めていた時。熟慮の末に立候補しようとしたら、高校球児だった長男から「練習せんと甲子園に行くようなもんや」と言われた。目が覚め、誘いを一度断った。次の選挙まで松阪市内と旧飯南郡を四百日間歩いて地域の実情をつかんだ。自民旋風だった二〇〇五年に比例で復活当選を果たし、〇九年は小選挙区で勝ち、底力を示した。これも地道に歩いてきた結果だ。

 この政権交代後の三年間で衆院農林水産委員会筆頭理事や国会対策委員会副委員長など要職を務めた。「義」を大事にする人柄から政党、年齢を問わず信頼される。その人脈を数々の法案成立に生かした。

 今回の選挙に向けて多忙な中でも週一、二回、スポーツジムで一時間体を鍛えてきた。「この選挙でどこまで体が持つか楽しみ」

 <記者の印象> 街中で人の輪にどんどん飛び込んでいくフットワークの軽さは年齢を感じさせない。温厚な顔は得意の農林水産の分野になると鋭さを増すが、内容や話しぶりには義理堅く、温かい人柄がにじみ出ている。

 (戸川祐馬)

◆田村憲久さん(48) 自前 自らを「天性の楽天家」

 自民党が政権の座を追われ、自身も小選挙区で初めて苦杯をなめてから三年余。「趣味を捨てて政権奪還にすべてをかけてきた」と熱く語る。

 元衆院議長の伯父・元さん(88)の地盤を引き継ぎ、三十一歳で初当選。始めこそ“田村ブランド”に感謝したが、今は「田村憲久」の実績を認めてもらえていると感じている。

 議員として厚労行政部門に長く関わり、社会保障は「ライフワーク」と胸を張る。影の内閣の厚労相に選ばれたこともあり、誰もが認めるスペシャリストだ。税と社会保障の一体改革でも法案成立に尽力した。「社会保障は国民の生活に密接に関わる部分。困っている人たちにどう光を当てるかだ」

 最近では経済・金融政策でも熱弁を振るう。二年前に党のデフレ脱却議員連盟を設立して事務局長を務め、存在感も増している。政権を奪い返し「研究の成果を形にしたい」と意気込む。

 「天性の楽天家」と自らを評する。悩んだ記憶は、逆風で迎えた前回選くらいだ。自宅に帰ると書類を読みながら湯船に二時間つかり、汗をかく。自分で設定した体重を維持するためだ。「自分に厳しく生きることが好きなんです」と笑う。

 <記者の印象> 祖父、伯父が衆院議員の政治家一家に育ったが、世襲のイメージとは程遠い。真面目で勉強熱心。政策を語り始めると止まらない。謙虚に自分を見つめて、日本を引っ張っていくという情熱にみなぎっている。

 (戸川祐馬)

◆中川民英さん(45) 共新 必要な労力は惜しまず

 「見知らぬ大勢の聴衆に向かってお話をすることに少しずつ慣れてきたところです」。初めての国政選挙に緊張している様子を正直に語る。

 大学進学を機に実家のある津市を離れ、茨城県へ。分子生物学を学び、修士課程まで修めた。納得のいく実験結果を得るため二年間を費やした経験を挙げ「こつこつと粘り強い性分」と自己分析をする。卒業後は東京都内の食品製造会社に就職したが、父の介護と十五歳離れたダウン症の弟の世話のため二〇〇八年五月に退職し、Uターンした。

 「弟は自宅では気が強いが、外出先では私にくっついて頼ってくる。かわいい弟」と目尻を下げ、「親ばか」ならぬ「兄ばか」を自称する。それだけに「障害者自立支援法を改正して応益負担をなくしたい」という思いは切実。今回の出馬の動機づけでもある。

 趣味はドライブ。愛車の日産「ステージア」を運転することが大好きで、長時間運転しても「疲れない」。今年のゴールデンウイークには復興ボランティアとして活動するため津から仙台までの往復千六百キロを一人で運転したほどだ。

 好きな言葉は「継続は力なり」。必要な労力は惜しまない。

 <記者の印象> 奥ゆかしい性格なのか、自分の自慢話などは一切なく終始謙虚な話し方。ただし、弟のことを語る時は、眼鏡の奥にある目が輝き、目尻が下がっていた。家族を大事にする姿勢が伝わってきた。

 (水野健太)

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