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岐阜ニュース

中濃の有権者こう望む

候補者(手前)の演説に聞き入る住民ら=郡上市白鳥町で

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 衆院選の投開票まであと二日。中濃地域では岐阜3、4区とも四人の候補者が選挙カーや個人演説会などで支持を訴える。この地域が抱える「地域経済の活性化」と「過疎・少子高齢化」の二つの課題について、住民は国政に何を期待するか聞いた。

◆地域経済の活性化

 来春三月末に閉鎖されるソニー子会社工場がある美濃加茂市では、二千人を超える雇用を失う。農業男性(44)は「課題が多すぎて、何から政治に求めていいのかわからない」とため息をついた。

 コメや野菜を栽培するが「経営は苦しい」と現状を訴える。環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加への流れを感じるといい「(交渉で)日本の農業を守ってほしい」と話した。

 「新しい自治の形として、行政任せではなく自分たちで考えて行動し、地方から日本を元気にしたい」。郡上市明宝で養豚業と焼き肉店を営む畑佐晴之さん(50)は語気を強めた。

 畑佐さんは地域の課題解決や夢の実現に向けて自由に意見を交わす「MOSO(もうそう)塾」に参加。政治には「型にはまらないアイデアを実現しやすい仕組み、環境づくりに支援を」と要望する。

 美濃市の主婦鈴木美智子さん(39)も「地元の企業や人材、お金など資源をうまく生かして、地元で賄えるような仕組みづくりが必要」と提案する。

 市民が独自に計画する活動は、規則の縛りで行き詰まることを実感しており「仕組みは行政が主導しないと変えられない」と訴えた。

◆過疎・少子高齢化

 関市上之保地域で地域おこしに取り組む自営業加藤裕之さん(40)は「仕事もないし、そのうち学校も成り立たなくなる」と、地域社会の存続にかかわる人口流出に危機感を抱く。

 消防や救急体制の弱体化を痛感。「市街地から車で三十分かかる。過疎地ほど充実させないと怖い」と懐疑的だ。

 住民の横のつながりをつくる対話の場、過疎地振興策でつくられた公共施設を住民の裁量で使える制度、特産品や自然環境を生かした産業振興策への投資を求めた。

 「働き場がないから若者が出ていくんじゃ困る」。郡上市白鳥町の主婦(70)は子どもの少ない地域の将来を不安視する。

 山あいの小さな集落。有志十五人が耕し手がなくなった田んぼを借りて米を作り、収穫した「棚田米」を朝市で販売する。「みんなが一つのことに向かって、収入が上がることをやっていかないと」

 小学生の子ども二人を育てる美濃市神洞の会社員山田弘幸さん(46)は「負担を和らげる経済的な支援を求めている人が多いはず」と、子育てにかかる費用の大きさを嘆いた。

 地域の過疎化は進むが、住み慣れた故郷に住み続けたいと願う。ただ「魅力あるまちづくりよりも、明日の生活を支えてほしい」と切実に訴えた。