文字サイズ

岐阜ニュース

投票率アップは若者がカギ!!

若い世代低調、危機感と不安

写真

 二日後に迫った衆院選の投開票。各自治体などは、有権者に投票を呼び掛けているが、投票率アップのカギを握るのが若い世代だ。全国では、若者の政治に対する関心や投票率を上げるため、ユニークな取り組みを行っている市民団体や自治体もある。投票所へと足を運ばせる方策は?

■低調

 「政治というと難しい気がして…。興味が持てない。同じ世代の人が出てたら興味が出るかも」。高山市の女性会社員(26)は、岐阜4区の候補者の顔ぶれをよく知らない。これまでの選挙は投票に行っていたが、今回は投票するかどうか決めていないという。

 市町村の選挙管理委員会は、国政選挙で各自治体の標準的な投票所一カ所を選んで年齢別投票率を県に提出している。前回二〇〇九年の衆院選では、岐阜4区のうち飛騨地域の高山、下呂、飛騨市と白川村が選んだ各投票所の二十〜二十四歳の投票率の平均は53%。87%と突出する白川村を除くと42%で、県全体の49%を下回る。

 飛騨地域の全世代の投票率は85%だった。4区全体の投票率より6・5ポイント、県内平均より12ポイントほども高かったのと比べ、若い世代の低調ぶりが目立つ。

■興味

 若者が選挙に行かなくなったのは全国的な傾向だ。それを変えようと各地で取り組みが行われている。

 東京都新宿区の早稲田商店会は、投票に行くともらえる投票済証を店に持っていくと割引きなどのサービスを実施している。近くに早稲田大があり、若者の投票率と商店会の売り上げアップの一石二鳥を狙って、八年前から始めた。会長の山内康行さん(45)は「区の選管から投票率が上がったと声を掛けられた。学生からも評判が良い」と効果を話す。

 名古屋市では、選挙に興味を持ってもらおうと、十四年前から青年選挙ボランティアを募集している。選挙のあるなしに関係なく、高校生から二十五歳までのボランティアが「選挙フェスタ」といったイベントを企画・運営する。市選管は「ボランティアが若い人たちなので、若い世代にも言葉が響く。投票に行くだけでなく、自分で考えて判断して、責任を持って投票する人を育てることが狙い」。目先の投票率の数字だけではなく、政治そのものに興味を持ってもらう工夫だ。

写真

■距離

 若い世代の中にも危機感を持つ人がいる。高山市の男性会社員(32)はインターネットニュースで見た同世代の投票率の低さに「やばいと思った。自分たちの年代の存在を無視されるのは困る。負担を押しつけられそう」と不安を感じている。「投票に行ったら、ワンドリンクチケットがもらえるとかあったら、みんな投票するんじゃない」と提案する。

 しかし、若者で圧倒的に多いのは「自分たちの暮らしと政治がかけ離れている」という声だ。「投票しても何も変わらない気がして。応援したい人がいればいいけど」と、距離は縮まらない。

 高山、飛騨、下呂の三市の選管は、成人の日に合わせて新成人に投票を呼び掛けるチラシを配布している。現段階では、若者の投票率アップを狙った新たな取り組みは考えていないという。

◆記者の眼 

 かく言う自分も投票に行くのは今回で二回目。「絶対この人に入れたい」というのはない。人気アイドルグループがやっている、自分の好きなメンバーに投票する総選挙のように「絶対この人に」という候補者がいたら、若い人も投票するんだろうなあと思う。

 海外では、候補者に共感した市民らが、無償で選挙活動を手伝う国もあると聞いた。政治家になってもらいたいと思った人を主体的に支援するため、日本のように選挙にお金がかからないそうだ。

 投票率が低いのは権利の重さを分かっていない人の責任でもある。でも、その数字は、政治や政治家に魅力がなく興味が持てないという無言の意見のようにも感じる。

(大沢悠)