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岐阜ニュース

「脱世襲」県内では禁句? 民主、批判控えめ

「脱世襲」のステッカーを後部に張った選挙カーの前で、世襲を遠回しに批判する候補者=岐阜県瑞浪市で

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 野田佳彦首相(民主党代表)が国会議員の世襲批判を前面に打ち出した今回の衆院選。岐阜県は全五選挙区の自民党候補全員の父か祖父が大物の国会議員で、民主党の格好の標的になってもおかしくない。だが、肝心の民主の候補たちが批判を抑えている。見え隠れするのは、保守的な土地柄で世襲批判は必ずしもプラスに働かないとの思惑だ。

 車体の後部に「脱原発」と並んで「脱世襲」のステッカーが、さほど目立たぬように張られた選挙カー。岐阜県多治見市のショッピングセンター前でマイクを握った岐阜5区の民主前職が「一般論」として世襲を批判した。

 「お父さんやおじいちゃん、ひいじいちゃんの縁で国会議員になっている人が多い」

 ライバルの自民前職は、百九年前から国会議員を輩出し続ける名家の四代目。それでも民主前職は、名前を挙げてやり玉に挙げるのを避ける。

 岐阜3区の民主前職も「ほかの候補の批判はしないポリシー」。岐阜4区の民主新人も、野田首相による世襲批判は「マニフェストにない」と話す。

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 「世襲批判は岐阜の県民性にそぐわない」と指摘するのは、民主の県連幹部。岐阜4区の陣営関係者も「岐阜の自民の世襲議員の中には大臣経験者もいて、地域の名士で誇りでもある。それを否定するのは有権者の反感を浴びる恐れがある」と、候補者の姿勢を追認する。

 一方、受けて立つ自民。岐阜5区の前職は「俺は七回もみんなの審判を受けてるんだから。(世襲批判の)土俵に乗るつもりはないよ」と軽くいなす。連続八回当選を誇る4区の前職も「初当選の時は世襲批判もあったがその後は全く批判されていない」と話している。