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愛知ニュース

「復興への本気度、見えない」 陸前高田市長インタビュー

復興に向けて「政党の本気度が見えない」と語る戸羽太市長=岩手県陸前高田市で

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 名古屋市が東日本大震災直後から「丸ごと支援」を続ける岩手県陸前高田市は、いまだに五千三百人以上が仮設住宅暮らしを強いられ、復興のめどが立たない。戸羽太市長は十三日、中日新聞のインタビューに応じ「継続的な支援はありがたい」と名古屋市に感謝した。投開票日が間近に迫った衆院選には「復興への各党の本気度が見えない」と議論不足を嘆いた。

 −名古屋市が来年も変わらない支援を約束した。

 人繰りをしてもらい、行政だけでなく市民、子どもたちも含めてありがたく思う。

 −3・11後、初の衆院選だが、原発や憲法問題、環太平洋連携協定(TPP)などに比べ復興の議論がない。

 どの政党のマニフェストにも一番に、震災からの復興と書いてあるが、党首討論やインタビューでは、だれも復興と言わない。本気度が伝わってこず、被災者のわれわれにとって残念であり遺憾だ。

 原発問題では福島の人をどうしてあげるのかをなぜ言わないのか。国の運営も大事だが、日本人をどう保護するかを示さなければ、政治への信頼はない。

 −なぜ復興が進まないのか。

 千年に一度の災害といいながら、国は通常のルールで「どうやったら予算を使えるのか」とやっている。ルールにがんじがらめになって復興が進まないのは本末転倒で情けない。

 −3・11後、政局ばかり続いた。

 日本の政党政治に限界が来ていると思う。政党が出すすべての政策を良とする人はいない。国民は「だいたいいいけど、これとこれはやめてもらいたい」という思いで投票する。政権を取った政党が「何が何でも与党の案が正しく、あなたの党の案はだめ」というやり方は通用しないし、国民もそれを望んでいない。与党は主導権は持ちつつ、他党のいいところをミックスする形でやってほしい。

 (広瀬和実)

 <とば・ふとし> 1965(昭和40)年、神奈川県生まれ。父の地元だった陸前高田市の市議、助役を経て2011年2月の市長選で初当選。東日本大震災では津波で自宅を流され、妻を亡くす中、復旧の陣頭指揮を執った。