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愛知ニュース

候補者に密着<15区>(上) 

 衆院選は十六日の投開票日まで、あと二日を残すのみ。愛知15区(豊橋・田原市)から立候補した六人は連日、声をからして政策をアピールしている。選挙区内を回る候補者に密着し、活動の一端を紹介する。(届け出順に三人ずつ掲載します)

◆串田真吾さん(36)共新 介護体験も交えて熱弁

 選挙カーに乗り、豊橋市内各地を回った先週末の八日。三度目の街頭演説は住宅街の一角に陣取った。「消費税増税は中止します。若い力に託してください」。寒空のせいか立ち止まる人は少なかったが、スピーカーから元気な声が響いた。

 演説の終盤、曲がり角から演説を聴いていた高齢女性の姿があった。演説が終わると、一目散に女性の元へ駆け出した。握手を交わし、体を寄せて女性の声に耳を傾けた。「憲法九条は変えたらいけないという意見とエールをいだきました」

 個人演説会も精力的にこなす。十日夜、豊橋市内の市民館では、祖父を介護した経験や製造業で働く定期労働者から「派遣切り」の実態を調査したエピソードを交え、「若い人たちに仕事を。誰もが生き生きと暮らせる社会保障制度をつくりたい」と熱弁した。参加者の中には真剣なまなざしを送る二十代、三十代の姿もあった。

 立候補している自民新人の合言葉を借り、「自分こそブレない。政党乱立した今回の選挙こそ、出番でしょ」とつぶやいたこともある。演説でおなじみのフレーズの一つが「九十年の歴史がある老舗の政党。きのう、きょうできた政党とは違います」。乱立する第三極をけん制する。

◆豊田八千代さん(63)社新 買い物客に「増税阻止」

 「消費税の増税だけは、絶対に撤回させてください」。豊橋市内のスーパー駐車場で演説中、おぼつかない足取りで近づいてきた八十代の女性に握手を求められた。かじかむ寒さの中、強く握られた右手の感触が忘れられない。

 豊橋、田原両市内のスーパーを訪れる主婦や高齢者層をターゲットに、消費税増税の阻止を訴え続けている。九日は十三店舗を回った。「生活を破壊する増税には、断固反対を貫きます」と口にすると、買い物帰りの女性たちの視線が集まった。「選挙戦が本格化していく中で、あらためて国民が増税を望んでいないことを実感できた。私たちの主張は間違っていない」と胸を張る。

 事務所に戻り、運動員とつかの間の休息。みそ汁やおでんなど庶民的なおかずが食卓に並ぶ。中でも、自宅の田んぼで生産した新米がふっくらしておいしいと好評。「力を付けて午後も頑張りましょう」と呼び掛けた。

 午後六時の個人演説会では「私たち六十代は、もう十分おいしい思いをしてきた」と笑いを誘い、「非正規雇用の若者だけに、苦しみを味わわせていいのでしょうか」。ユーモアのある語り口で、若年層の雇用問題を同年代の有権者に訴えた。

◆根本幸典さん(47)自新 元祖「ブレず」アピール

 雪がちらつく午前六時四十五分。「おはようございます、根本幸典です」。声を張り上げ、果物や野菜が取引される豊橋中央青果市場に入っていく。自民系市議二人と市場内を走り回った。「ブレない男です。よろしくお願いします」と、せわしなく働く人たちに駆け寄り、固く握手を交わした。

 一人の男性から「頑張って」と声を掛けられると、きっぱりと返した。「国政に必ず行かなければいけないんです。日本が壊されてしまうから」

 駆け足で全員とあいさつを交わし、別の企業の朝礼へ。分刻みのスケジュールをこなし、午前八時前には豊橋駅前に。ここで迎えたのは、自民党の小泉進次郎青年局長。衆院解散以降、安倍晋三総裁や麻生太郎元首相が豊橋へ応援に駆け付けた。後援会幹部は「愛知は前回小選挙区で全滅したから、これだけの人が応援に来てくれている」と気を引き締める。

 麻生元首相の講演会の前には、集まった多くの市民に「最近は野田佳彦首相も『ブレず』という言葉を使い出したが、元祖『ブレず』は根本です」とアピール。「この二年間、皆さんの声を聞いてきた。その声を必ず届けます」と声を張り上げた。