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愛知ニュース

豊田市、稲武地区だけ14区 「ねじれ」今回も

「14区」と「豊田市」の文字が並ぶ稲武地区のポスター掲示板=豊田市武節町で

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 十六日の投票に向け、候補者たちがラストスパートをかける衆院選の愛知11区。主戦場の豊田市で、旧稲武町区域だけは選挙区が14区と異なる。市町村合併から三回目になる今回の選挙も「ねじれ」は解消されず、住民に疎外感が漂っている。

 公示直後に14区の候補者が稲武地区で開いた演説会。会場を後にする人たちは、複雑な心境を口にした。「ここは豊田市なんだから、豊田市の候補を選びたい」

 旧稲武町はもともと東三河の北設楽郡だった。一九九六年の選挙から小選挙区制が導入され、北設楽郡は豊川市などとともに14区に区割りされた。

 しかし、通勤通学など生活圏は西三河の旧足助町や豊田市。二〇〇三年に東加茂郡への編入を果たし、〇五年に豊田市と合併した。当時の町長だった太田雅清さんは「選挙区は早急に見直すという話だったのに」と憤る。

 生活に大きな支障はないものの、団体職員の女性(56)は「なぜ肝心の国政選挙で東三河扱いなのか。14区の候補が稲武のことを考えて予算を取ってくれるのか」とため息をつく。

 投開票に影響も出ている。市選挙管理委員会によると、開票所では11区のほかに、一角を仕切って稲武地区の作業を行う。担当者は「当然、時間も人も余計にかかる」。

 14区の期日前投票ができるのは、市稲武支所だけ。市中心部に通勤する人らから「市役所で投票できないのか」と問い合わせがあるという。

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 ねじれを抱えながらも選挙への関心は高く、合併後の稲武地区の投票率は80%台で推移してきた。地元の三江弘海市議は「今回はいよいよ白けムード。大きく下がる可能性もある」と危ぶむ。自身も議員仲間が11区に立候補した元市議を一丸となって応援する中、ひとり14区の選挙応援に励む。

 「議員定数削減で選挙区を見直し、次回こそ豊田市に統一を」と住民は声をそろえる。三江市議は「地元区長らと話し合い、総選挙が終わったら県や国に本格的な要望活動を始める」と話した。

 県内では10区の一宮市で、旧尾西市区域が9区に分かれている。

(川原田喜子)