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愛知ニュース

自民が依然優位に 10の選挙区情勢調査

 中日新聞の衆院選情勢調査は、県内では十五選挙区のうち十選挙区を対象とした。自民が依然として優位に戦いを進めている。公示直後の序盤に民主と接戦を繰り広げていた一部選挙区でも、自民が先行した。逆に民主の不振は深刻で、現状では局面打開の材料に乏しく、十五選挙区で六勝にとどまった二〇〇五年の「郵政選挙」を下回るシナリオも現実味を帯びつつある。 (衆院選取材班)

 公示直後の調査では民主がやや優勢、もしくは自民と競っていた3、5、8区で、いずれも自民が優位に立った。民主の中堅・ベテランを相手に、自民の新人や元職が支持を伸ばしている。名古屋市中区などを含む1区でも、自民新人が、未来前職らを引き離す勢いを見せている。支持なし層が多い名古屋市内五選挙区は、これまで自民にとって鬼門。〇五年の選挙でも一勝四敗と苦手としていたが、今回は勝ち越しも視野に入ってきた。

 民主は、トヨタ系労組の金城湯池である三河部の11区で、リードを保っている。隣接する12区でも、自民新人と民主前職の差は序盤と比べても広がっておらず、労組の引き締めは一定の効果をあげつつあるようだ。

 未来、維新は苦戦が続く。未来前職が自民新人を懸命に追走する14区を除き、小選挙区を勝ち上がる勢いまでは見られない。

 共産は、比例東海ブロックでの議席維持を現実的な目標に各選挙区で訴えを続ける。

◆<1区>(名古屋市東・北・西・中区)

 大野宙光49共新、吉田統彦38民<前>(1)、佐藤夕子49未前(1)、熊田裕通48自新、

 熊田が自民支持層をほぼ固め、安定している。全年代でリードしているほか、職業を問わず幅広い支持を集める。佐藤は未来支持層を手堅く固め、支持なし層から半分を取り込んで追う。1区に候補を立てていない維新の支持層は佐藤と熊田が分け合う。吉田と大野は支持なし層に広がっていない。

◆<3区>(名古屋市昭和・緑・天白区)

 池田佳隆46自新、石川寿47共新、磯浦東38未新、近藤昭一54民前(5)

 やや劣勢だった池田が近藤を逆転し、優位に立つ。池田は自民支持層のほとんどを固め、あらゆる年代や職業にまんべんなく浸透している。若年層、サラリーマン層に強い。近藤は民主支持層の九割を固めたが、支持なし層や若年層に食い込めていない。磯浦、石川は他党支持者への広がりがない。

◆<4区>(名古屋市瑞穂・熱田・港・南区)

 刀禰勝之42民新、牧義夫54未前(4)、山本洋一34維新、工藤彰三48自新、西田敏子58共新

 着実に浸透してきた工藤が先行する。牧、刀禰、山本が続く。工藤は自民支持層を八割以上固め、公明支持層も押さえた。牧は未来支持層を固めたが、支持なし層を工藤に奪われている。刀禰と山本は、それぞれの党の支持層に加えて、若い世代と支持なし層に浸透を図って追走する。西田は伸び悩んでいる。

◆<5区>(名古屋市中村・中川区、清須・北名古屋市、西春日井郡)

 神田憲次49自新、小山憲一52維新、藤井博樹35共新、赤松広隆64民前(7)、前田雄吉52未元(3)

 神田が赤松との競り合いで優勢に。自民支持層をほぼ固め、支持なし層の六割を獲得している。赤松は後援会引き締めに躍起。支持なし層への浸透は二割だが、序盤より民主支持層を固め、四十代以上では神田と互角の情勢だ。期日前の得票も伸びている。小山、前田、藤井は伸び悩んでいる。

◆<7区>(瀬戸・大府・尾張旭・豊明・日進・長久手市、愛知郡)

 正木裕美31未新、鈴木淳司54自元(2)、山尾志桜里38民前(1)、郷右近修34共新

 優勢の鈴木を山尾が追う構図は変わっていない。鈴木は自民支持層を手堅く固め、支持なし層でも支持を広げつつある。山尾は民主支持層からの支持が八割から六割になり、主婦層では支持が厚いが高齢世代などで苦戦する。正木、郷右近はそれぞれの党支持層以外に支持が広がっていない。

◆<8区>(半田・常滑・東海・知多市、知多郡)

 伴野豊51民前(4)、伊藤忠彦48自元(1)、長友忠弘53共新、増田成美39未新

 伊藤が伴野に対して優位に立ち、増田、長友が追う。伊藤は自民支持層を固め、前回選での民主支持層の二割にも食い込む。年代が上がるにつれて支持が厚くなる傾向にある。伴野は民主支持層をほぼ固めたが、支持なし層の取り込みで苦戦。増田は支持なし層で善戦するが、伸び悩む。長友は苦しい戦い。

◆<11区>(旧稲武町区域以外の豊田市、みよし市)

 古本伸一郎47民前(3)、中根裕美38諸新、渡辺裕32共新、八木哲也65自新

 全トヨタ労連の全面支援を受ける古本が優位に立ち、八木が追う。古本は民主支持層の九割以上を固め、二十〜五十代と幅広い支持を集める。八木は自民支持層を固めきれておらず、公明支持層にも浸透していない。支持なし層は両者で分け合っている。渡辺は共産支持層以外からの支持が低い。

◆<12区>(岡崎・西尾市、額田郡)

 若山晴史64共新、都築譲62未元(2)、中根康浩50民前(2)、青山周平35自新、重徳和彦41維新

 青山に中根が迫り、重徳が追い上げる。青山は自民支持層の九割を固め、サラリーマン層で好調だが、支持なし層では伸び悩む。中根は民主支持層の八割を固めたうえ、支持なし層では三割に浸透する。重徳は民主、未来支持層の一部にも食い込む。都築、若山は支持に広がりを欠いている。

◆<14区>(豊川市、豊田市旧稲武町区域、蒲郡・新城市、北設楽郡)

 磯谷香代子47民<前>(1)、鈴木克昌69未前(3)、今枝宗一郎28自新、稲生俊郎54共新

 今枝が自民支持層を手堅く固め、民主支持層にも食い込んで先行。年代別でも二十、三十代で強みを発揮している。追う鈴木は支持なし層の半数を取り込み、民主支持層の一部にも浸透している。磯谷は支持なし層で伸びを見せるが、党支持層を固めきれていない。稲生は広がりに欠け苦戦している。

◆<15区>(豊橋・田原市)

 串田真吾36共新、豊田八千代63社新、根本幸典47自新、杉田元司61無元(1)、森本和義46民前(1)、近藤剛47維新

 森本が追い上げるが根本が優位を保っている。自民支持層の八割以上を固めた根本は、各年代から支持を受け、支持なし層も取り込む。森本は民主支持層の八割を固め、組織戦でサラリーマン層へ支持を広げる。近藤は維新支持層の七割を固めるが、支持なし層で伸びていない。串田、豊田は厳しい。

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