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愛知ニュース

西三河、組織票の動き不透明

 政権交代の可能性が浮上している今回の衆院選では、新党の離合集散や公約の変更が相次ぐこともあって、組織票の動きにも不透明感が漂っている。西三河地方でも、前回とは推薦先を変更したり、中立を決めたりと複雑な状況だ。

 推薦先を変えたのは岡崎市医師連盟だ。前回は民主候補、今回は自民候補。幹部は「政党の離合集散が目立つ中、連盟の指針を政治に反映してくれるであろう候補に決めた」と説明する。

 中立派は、岡崎市の岡崎商工会議所や安城市の日本商工連盟安城支部(安城商工会議所)などだ。安城支部の場合、自民候補を推薦しているが「実質的には自由投票」と関係者。安城市医師連盟(安城市医師会)や安城市歯科医師連盟(安城市歯科医師会)のように、民主と自民の両方を推薦して中立の姿勢を示すところもある。碧南商工会議所は自由投票。

 ただ、近年は組織票そのものに変化が生じている。岡崎市のJAあいち三河と安城市のJAあいち中央は、農業への影響が懸念される環太平洋連携協定(TPP)への参加反対を掲げる自民候補を推薦したが、一部には「投票行動を強制するわけにはいかず、締め付けはしていない」との声がある。

 連合愛知もこれまで通り民主候補を推薦し、自動車産業が支える西三河地区の「絶大な集票力」で貢献しようとしているが「組合員の中にも民主への不満があり、特に若い世代は不透明」とみる向きも。

 農業も盛んな地域では「家族の中でも投票先が分かれる」という。JA組合員の米農家の男性(61)は「息子はトヨタ系の自動車部品製造会社の社員で組合員だから」。

 こうした中、組織票を頼りにしてきた既成政党の幹部らには危機感が漂う。「推薦で多くの票が入った十年ほど前とは様変わりした。浮動票が増えているのも不安要素だ」

 一方で、日本未来の党や日本維新の会のように、地方組織の整備が間に合わなかった新党勢は、組織票に頼ることが難しい。ある陣営の幹部は「積極的に推薦を取るのではなく、若者や女性といった浮動票を狙う」と話す。

 業界の推薦が少ない共産陣営の幹部は「組織に頼らずに草の根の運動で支援の輪を広げたい」と意に介していない。

(衆院選取材班)