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愛知ニュース

「脱原発」合唱、本物は誰 4区

 福島第一原発の事故後、初の衆院選。「脱原発」を訴える候補が多い中、公約で対応を決めていない自民にも、原発ゼロを主張する候補が相次ぐ。マイクから響く「脱原発」の合唱に、有権者からは「誰が本当に実行できるのか」との戸惑いも聞かれる。

 愛知4区(名古屋市港区など)では、五人の候補全員が脱原発を掲げる。自民新人の工藤彰三さん(48)は「自民だから『脱原発』はおかしいという話もあるが、地震列島にたくさんの原発があって耐えられるのかを危惧している」と訴える。

 自民は公約で「遅くとも十年以内に電源構成を決める」として、原発にどの程度頼るのかの判断は先送り。安倍晋三総裁は「軽々にゼロと言わないのが責任政党だ」と「続原発」の立場だが、工藤さんは原発がテロに遭う危険性にも触れ、あえてゼロに踏み込む。脱原発が売りの他陣営は「自民なのに脱原発を言うのは、選挙目当てのまやかしだ」と口をそろえる。

 未来前職の牧義夫さん(54)は「十年間は動かしていいとか甘っちょろいことを言うのではなく、直ちに稼働を止める。原発ゼロは、受け狙いの夢物語じゃない」と主張。共産新人の西田敏子さん(58)も「共産は一貫して原発反対。十年後とか言っている場合じゃなく、即時ゼロしかない」と競い合う。

 ただ、脱原発は同じでも、実現を目指す時期や道筋など具体策では主張が食い違い、互いに批判し合う。「『今すぐゼロ』と言うのは簡単だが経済への影響が大きく無責任。二〇三〇年代になくしていく方向で進めるのが堅実で責任ある政治だ」。維新新人の山本洋一さん(34)は、電気代が大幅に上がる悪影響も考え、即時ゼロを疑問視する。

 民主新人の刀禰勝之さん(42)も「感情的には即廃止だが、北海道では停電で生活や産業への影響が大きかった」と、電力不足を懸念。「安定した電力供給が大事で、三〇年代のゼロへ再生可能エネルギーの開発を急ぐべきだ」と述べる。

 港区の主婦鋤田ミツ子さん(64)は「最近はみんな脱原発、脱原発って口では言っとるけど、実際にうまいことやるのはなかなか難しい。本当に実行できる人がいいんやけど」と首をかしげた。