文字サイズ

静岡ニュース

健全な民主主義の要件欠く結果に 白鳥浩法政大教授

写真

 有権者は何を選択してしまったのだろうか。健全な民主主義の要件には二つある。「対案を提示する野党」と「参加する有権者」である。今回の選挙は、その二つとも欠いてしまう結果となった。

 安倍首相は、今回の選挙を「アベノミクス解散」と位置付けた。野党は安倍政権が展開するアベノミクスを批判するものの、総合的な対案を示しきれなかった。その意味で、今回の選挙は安倍政権への信任投票となった。そこで、安倍政権に批判的な有権者は、自らの声が聞き届けられる可能性が低いため、投票には行かない結果となり、ある意味で「有権者不在」の選挙となった。

 今回われわれは、日本の民主主義を考える上で大きな課題を抱えることとなった。この状況を打開するために、県内を見ても政界再編が望まれている。そういう選挙結果となったといえよう。また、この結果を受けて、政党にはより一層、表れなかった民意に配慮する政治が期待されている。それは大勝をした与党にとっても例外ではないのである。 (寄稿)

しらとり・ひろし 政治学博士(現代政治分析論)。元静岡大助教授。