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静岡ニュース

野党 連携も後手

◆3区 共闘届かず 民主・小山さん比例で復活

支援者に感謝の気持ちを込めて握手する小山展弘さん=14日午後11時14分、磐田市内の選挙事務所で

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 中部電力浜岡原発(御前崎市)が立地する静岡3区は、自民に対抗する民主と維新の候補者一本化による県内唯一の「野党共闘」で注目されたが、アベノミクスの継続を訴えた自民候補に届かなかった。

 二年前の前回選は、維新の鈴木望さん(65)が反原発を前面に掲げて戦った。今回、鈴木さんは民主元職の小山展弘さん(38)と「浜岡原発は将来的にやめざるを得ない」という認識で一致。野党調整で3区での立候補を見送り、比例代表九州ブロックに転出した。このため、選挙では鈴木さんが前回選で獲得した維新票を、どれだけ取り込めるかが鍵とみられていた。

 だが、選挙戦の序盤、小山さんは原発問題に言及せず、争点化を避けたいという思惑も見え隠れした。小山さんは「原発問題は出馬会見で触れた話なので、その後は経済を中心に訴えた」と説明したが、民主の支持母体の連合に、電力関係の労働組合が加盟していることにも配慮したとみられる。

 小山さんが原発問題に触れるようになったのは、ようやく選挙戦が半ばを過ぎてからだった。

 終盤には維新支持層へも浸透し、連合の支援で追い上げた小山さん。選挙区では敗れたものの比例代表で復活当選を果たし、「これだけ自民に肉薄できたのは、野党連携があったからだ。(維新と)合意した認識について姿勢を変えたことはない」と強調した。

 比例九州に転出した維新前職の鈴木さんは落選した。

◆8区 維新源馬さん「力不足」

無念の表情で敗戦の弁を語る源馬謙太郎さん=15日午前1時40分、浜松市東区で

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 一方、静岡8区は、維新新人の源馬謙太郎さん(41)ら三人が先行して立候補を表明。元県議の源馬さんは前回選で民主を離党し、維新にくら替えして出馬したため、源馬さんへの候補一本化には、民主関係者を中心に反発が大きく、野党共闘はならなかった。

 結局、古橋和大さん(38)が連合の推薦を受けて無所属で立候補表明したのは公示四日前。選挙を振り返り古橋さんは「知名度がなかった。時間が足りず民主という印象を広げられなかった」と振り返った。源馬さんは、民主との連携ができなかったことに「(全国では維新単独で)勝っている所もあり、力不足だった」と述べた。

◆4区 田村さん 比例も復活ならず

 四期目を目指した静岡4区の民主元職田村謙治さん(46)は比例も次点で復活はならなかった。静岡市清水区の事務所で「残念な結果になってしまった。支援をいただいた皆さまに申し訳ない」と深々と頭を下げた。

 前回選での落選後、二〇一五年秋以降の衆院選を想定していただけに、突然の解散は不意打ちだった。急ピッチで準備を進め、庶民目線のまじめな政治を訴えたが、現職閣僚の壁は厚かった。「党全体が厳しい状況の中で流れを変えることができなかった。自分の力不足を感じた」と述べた。

◆1区 牧野さん 信頼を取り戻せず

 「民主党が失った信頼を二年たっても取り戻せなかった」。前回選の雪辱を誓い、十回目の国政選挙に挑んだ静岡1区の牧野聖修さん(69)。大差での敗北が決まり、静岡市駿河区の事務所で支援者に頭を下げた。

 選挙戦では三百九十八回の街頭演説を繰り返し、政権への批判票の取り込みを狙った。衆院解散後は海江田万里代表や枝野幸男幹事長も静岡入りして応援したが、追い風は吹かなかった。

 市議、県議を経て政治生活は四十五年。民主政権では経産副大臣も経験した。復活はならず「得票率が下がり、世代交代の時を感じている」と引退を示唆しつつも「来年の県議選の手伝いもあり、一人では決められない」と述べた。

◆7区 松本さん 培ったもの出せた

 7区の民主新人、松本泰高さん(67)は午後八時半ごろ、浜松市北区の事務所に姿を見せ、約三十人の支持者を前に「安倍政権に好き放題やられると思うと悔しいが、選挙戦では培ったものを全部出せた。悔いはない」と頭を下げた。衆院解散の日に出馬が決まるなど、準備不足が足を引っ張った。

◆1区 維新・小池さん 再起誓う

 静岡1区の維新前職小池政就さん(40)は現職閣僚の壁を崩せなかった。「票を伸ばせなかったのは人徳のなさと努力不足。ゼロから次に向かい頑張ります」。再起を誓い、支援者一人一人に感謝を伝えた。

 「前三島市長の次男」の看板と故郷を手放し、地縁、血縁、組織がない静岡市で挑んだ選挙戦。野党共闘はならず、みんなの党で出馬した前回同様、民主元職と非自民票を奪い合った。党幹部の応援で二年間の実績と若さを訴えたが、自民の組織力に圧倒され、支持政党を持たない層に浸透しきれなかった。

◆共産・島津さん初当選

 共産党は、候補者を立てた県内の全小選挙区で敗れた。一方で反原発や集団的自衛権容認反対などを訴えて反自民の受け皿となり、比例代表の得票を上積み。比例東海ブロックに単独立候補した党県書記長の島津幸広さん(58)が初当選し、十四年ぶりに県委員会所属の議員が誕生した。

 8区の落合勝二さん(70)は「アベノミクスに苦しめられた市民は暮らしを守ることに懸命。反原発は争点になりにくかったかもしれない」と振り返った。一方で「集団的自衛権に反対する訴えに若者が真剣に耳を傾けてくれた」とも。

 7区の野沢正司さん(65)は浜松市中区の党県西部地区委員会事務所で「原発再稼働反対や若者の働きやすい環境づくりなどの訴えに立ち止まって耳を傾けてくれる人が増えた。引き続き訴えていく」と話した。

 初当選した島津さんは、名古屋市中区の党愛知県委員会事務所で「どこに託したらいいのか迷っていた人たちが共産党を選んでくれたと思う。期待に応えるため頑張っていく」と誓った。