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静岡ニュース

選挙区なう 7区・8区

 後半戦に突入した衆院選。県内では二十六人の候補者が激しい選挙戦を繰り広げている。各党とも党首級が次々と県内入りし、有権者に支持を訴える。十四日の投開票に向けて走り続ける各候補の戦いを、小選挙区ごとに追った。

◆7区 盤石自民に挑む民、共

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 四十代で既に当選三回の現役副大臣に、えとがひと回り以上違う人生経験豊富な六十代の新人二人が挑む。

 「完勝、大勝させてください」。浜北区で開かれた決起集会。城内実さんは千人超の支持者を前に声を張り上げた。他の会場でも「完勝」をあえて使い、勝ち方への強いこだわりを見せる。初当選から十年以上この地で根を張ってきた誇りと自信を感じさせる。

 選挙戦後半に入り、他県への応援で本人不在の機会が増えた。それでも警戒を怠らないのは、九年前の郵政選挙で一敗地にまみえた苦い経験があるから。「選挙は楽に勝てると思った瞬間に負ける」と最後まで手綱は決して緩めない構えだ。

 三度目の国政挑戦となる松本泰高(たいこう)さんは、解散当日に急きょ7区で初出馬が決まった。しかし、選挙区内には旧新進党時代に親しかった熊谷弘元通産相の故郷もある。「同志の支援をもらえばそれなりの戦いができる」。地元の市議、県議らの後援会関係者や連合などの支援者のいる場に顔を出し、出遅れの挽回を急ぐ。

 外務官僚出身で父親が元警察庁長官の城内さんを引き合いに「私はバス運転手のせがれ。安保闘争に行くおやじの背中を見て世の中を変えようと新聞記者を志した」と対照的な庶民性、反権力をアピールする。

 反権力、反安倍政権の訴えでは野沢正司さんも負けない。公示後の第一声は開口一番に「アベノミクスでいいことがあったでしょうか」と、政権の経済政策を批判した。

 浜岡原発再稼働や集団的自衛権行使の反対、消費税増税の中止と真っ向から対決。若者の労働環境改善も訴え「高齢者よりも若者の反応が良い」と手応えを感じている。

◆8区 野党割れ安定感の自民 

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 「敵の敵は味方」になる野党共闘が崩れ、自民、維新、共産による三つどもえに無所属が加わり、対決の構図はより複雑になった。

 十日夜の浜松駅前。民主党の旗が舞う総決起大会に登場した古橋和大さんは「民主の古橋です」と宣言した。

 8区は一九九九年の補選以降、自民と民主が議席を奪い合う激戦区。今回、民主は維新との連携から公認擁立を見送ったが、地元は「民主の灯を消すな」と古橋さんを立て、民主系地方議員や連合が活動を支える。「強い与党の暴走を止められるのは民主だけ」と自民に対抗心を燃やすが陣営には「敵は自民じゃない」との声も。

 元県議の源馬謙太郎さんは二年前、民主党を離党して維新から出馬し、今回は二度目の挑戦。古橋さんとは対照的に「支援してくれる大きな組織はない。街頭に立つだけ」と話し、一日中、浜松駅前に立つ「マラソン演説」など独自の発想で活動する。

 議員定数の削減など「身を切る改革」を訴え、連携を崩した民主への批判は言わない。古巣の支持層も取り込むための配慮だ。

 民主、維新の神経戦をよそに、塩谷立さんは二百五十超の業界・団体からの支持、系列の市議・県議の協力を得て、ベテランらしい安定した戦いを貫く。

 街頭でまず訴えるのは短期間で選挙となった理由。「今回の選挙がいかに重要か。判断いただくのは日本の将来、経済をどうするかだ」と説く。対抗馬の一本化挫折で有利とみられる半面、陣営には「演説会の人出は少ない。負ける選挙みたいだ」と危機感もある。

 「自共対決」を意識する落合勝二さんは、消費税増税や集団的自衛権行使などを真っ向から批判。隣の7区から出馬した前回よりも「はるかに有権者の反応がいい」と話す。