文字サイズ

静岡ニュース

選挙区なう 5区・6区

 後半戦に突入した衆院選。県内では二十六人の候補者が激しい選挙戦を繰り広げている。各党とも党首級が次々と県内入りし、有権者に支持を訴える。十四日の投開票に向けて走り続ける各候補の戦いを、小選挙区ごとに追った。

◆5区 民主の雄を追う自・共

写真

 「相手候補の追い上げを受けている情勢で選挙区を空けることは危険。それでも、若手を育て、野党の力を結集してもう一度天下を取りたい」。細野豪志さんは六日、御殿場市民交流センターで支持者に切実に訴えた。

 前回と同様に本人不在の選挙戦を展開。自身が主宰する政治グループ「自誓会」を中心に民主候補の応援で飛び回っているからだ。公示後に地元で活動できたのは二日間。さらに今回は「若手を比例で受からせたい」と重複立候補を辞退し、自ら背水の陣を敷いた。

 選対幹部は「ライバルは二年間の実績で確実に票を伸ばしてくる」と、本人不在に不安を隠さない。後援会や支持母体の労組の引き締めに躍起だ。

 一方で、吉川赳さんは選挙区内をくまなく駆け回り、一日十回以上、街頭演説や集会をこなす。今回から公明の推薦を受け、組織が強化された。農協の支援も受けている。

 中盤から閣僚級の応援が続く。五日に宮沢洋一経産相らが相次いで訪れた。八日の総決起大会は、所属する派閥会長の岸田文雄外相が「明るく前向きで、政治家としての資質がある。この試練を乗り越えれば大成する」と熱弁。陣営は二年間の実績と伸び盛りの若手という点を強調し、5区全域での支持の拡大を図る。だが、吉川さんは「相手の壁は高くて厚い」と厳しい表情を崩さない。

 公認決定が衆院解散の二日前だった大庭桃子さん。有権者の四割を占める富士市を重点に安倍政権を批判する層への浸透を図り、党組織が強い三島市と函南町では支持者を固める。増税と原発再稼働の反対など五項目を訴えてきたが、有権者の反応から力点を憲法に置き始めた。「戦争する国づくりを止める」と強調している。

◆6区 民主牙城に自民が攻勢

写真

 「新しい時代を沼津からつくる。その力を勝俣に与えてください」。石破茂地方創生担当相が八日夕、沼津駅北口で勝俣孝明さんの応援に声を張り上げた。

 八時間前、同じ場所に安倍晋三首相が来たばかり。6区は一九九六(平成八)年以降、民主の渡辺周さんに六連敗が続く自民県連の最重点区だ。県連副会長で沼津市を地盤とする杉山盛雄県議は、党幹部の続々の来訪を「全国でもここだけ」と胸を張る。

 6区は、沼津市と若年層が多い清水町、長泉町の一市二町で有権者の51%を占める。陣営は勝敗のかぎを握る一市二町で遊説を強化した。「雇用を増やして若者が戻れる故郷を」とアベノミクス推進を前面に出す。公明が前回以上に組織的な応援に取り組む。

 七日夜、沼津市内のホテル。渡辺さんは支持者を集めた大必勝集会で「七回目は最も厳しい戦い」と危機感をあらわにした。民主が惨敗した二年前でも競り勝ったが、「前回と同じ調子で大丈夫と思っていてはだめだ」。「牙城」を死守しようと支援を呼び掛けた。

 渡辺さんの亡父は元沼津市長で、父子二代にわたる支持者が市内に少なくない。家族が地盤の沼津を回り、本人は前回競り負けた伊豆全域の遊説の回数を増やしている。街頭演説で「伯仲した与野党を」と訴え、自民批判票取り込みを図る。

 連合は電話作戦で組合員家族の支援も求めて後押し。後援会が組織を挙げてフル回転している。

 佐藤龍彦さんは「安倍政権の暴走を許していいのか」と訴える。沼津と地盤の伊東を重点的に遊説し、「自民にも民主にも任せられない」という支持政党を持たない層に狙いを絞っている。