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静岡ニュース

<主張点検> 消費税増税「延期」

◆景気対策の評価 与野党に温度差

 景気の足踏みを理由に先送りとなった消費税増税。ただ、安倍晋三首相は好不況にかかわらず二〇一七年四月には税率を10%に引き上げると明言した。中日新聞社が衆院選の静岡県内小選挙区の候補者二十六人に行ったアンケートでは、自民、民主、維新、無所属の十八候補が増税時期について「一年半以上」あるいは「一年半」延期すると回答。共産候補の八人は「増税をやめる」と反対した。

 延期を主張する理由について、自民候補は「景気回復の遅れに配慮」「財政再建を優先」など仕方ないとの見方。民主や維新候補らは「アベノミクスの失敗」と、安倍政権の経済政策の副作用を指摘する意見が目立った。「物価高に収入が追い付いていない」「さらに景気を悪化させる」などの意見もあった。一方、共産候補は「暮らしも経済、財政も破綻する」「低所得者ほど負担が重くなる」と増税に強く反対する姿勢を貫いている。

 共産候補を除く全候補が「延期」と回答していることに、湖西市の主婦田中夏樹さん(26)は「やっぱり将来的に増税は避けられないんですね」と落胆した。四月から消費税率が8%に上がり、少しでも出費を抑えようと生活用品や食料品をまとめ買いしている。「政治家には、庶民の台所事情なんて分からないと思う。増税以外の方法が本当にないのか、税金の使い方をもっと厳しい目でチェックし直してほしい」と求めた。

 フリースクールに勤める浜松市東区の竹田容篤さん(25)も「これでは対立点が分かりづらく、政党や候補者を選ぶことはできない」と話す。安倍首相は増税先送りで「国民に信を問う」と述べたが、増税を見合わせることに反対の声はなく、「そもそも民意の問い方がおかしかったのでは」と疑問を投げかけた。

 藤枝市の小野喬二さん(76)は、10%への引き上げを反対する。「今でも物価が上がり過ぎている。年金生活だが、それだけではやっていけない。好きな刺し身を食べる機会も減ってしまった」と憤る。安倍首相は「身勝手」と切り捨てた。

(衆院選取材班)

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