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滋賀ニュース

激戦、票固めに奔走 終盤ルポ1区

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 空は暗くなり、冷え込みの増す午後五時すぎ。大岡さんは草津市内の大型商業施設近くの交差点脇に立ち、車一台一台に手を振り続けた。前回より個人演説会を減らし、街頭で有権者に顔を見せて政策を訴えることに重点を置く。自民優勢の報道にも「やることは同じ。最後まで走り抜けたい」と姿勢を崩さず、原発再稼働など批判の多い政策にも説明を尽くす。

 「うちには組織がない。相手(川端陣営)が戦艦ならこっちはゴムボート」(大岡さん)。陣営では少しでも確かな票を集めるため、小規模な老人クラブなどへの働き掛けを強化。数百単位で団体の取り込みをもくろむ。

 各県議、市議もあらためて、自身の支援者へ電話して大岡さんへの投票依頼に奔走。佐野高典選対本部長は「1区は特に激戦。再度、票固めに努める」と気を引き締める。

 大岡さんが意識する川端さんは、早朝のグラウンドゴルフ大会に顔を出した。かじかむような寒さをものともしない元気なお年寄りと握手して談笑。夜はバレーボールクラブなどを地道に回る。柴田智恵美選対本部長は「身近に感じてもらいたい」と狙いを話す。

 当選九期の大物は「初めて直接話した」という有権者も多い。他の陣営関係者も「有権者の判断材料が少ないと、消極的選択で自民に流れかねない」と分析。人柄を知ってもらい、前回、維新に流れた票を取り込みたい考えだ。

 街頭での反応は上々で「今度は負けたらあかんで」と声をかけてくれる人も目立つが、報道された序盤情勢は劣勢。川端さんは「基準が分からない」と意に介さず「自民に三百議席与えたらどんな社会になるか想像すれば分かると思う。有権者は賢明な判断をしてくれるはず」と話す。

 佐藤さんは街頭演説を一日平均十五カ所、演説会を一日二、三回と精力的だ。「共産の演説会に初めて来た人もおり、政治を変えてほしいという声は大きくなっている」と手応えを話す。

 序盤、前職二人に出遅れたが「まだ投票先を決めていない人が多い。今が支援の広げ時」と繰り返し、支援者の士気を高めている。

 「若さと素直さを武器に好感度は高まっている。自民、共産の対決に近づいてきた」と選対責任者の長田茂さん。終盤も、雇用や平和など、同世代の関係が深い訴えを前面に、その親世代へも支持の浸透を狙う。八日、午後九時すぎに演説会を終えた佐藤さんは「若い人の未来を決める選挙だと伝えたい」と意気込んだ。

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 十四日の投開票が近づき佳境に入った選挙戦。師走の寒空の下、湖国を駆け回る候補者や陣営関係者らは何を考え、どのように動いているのか。それぞれの手応えは。各候補者を追い、“審判の日”に向けた戦略や思惑を探った。