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滋賀ニュース

既成政党、「第三極票」獲得に躍起

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 今回の衆院選は二年前に比べて第三極となる政党が減り、選択肢の限られた選挙となっている。自民、民主といった既成政党批判の受け皿となった日本未来の党やみんなの党は既になく、各陣営は前回動いた票の取り込みに躍起になっている。

 県南部の自民前職は、夜の個人演説会を二年前より減らし「駅立ち」に傾注。選挙区にあるJR六駅を順番に回り、街頭演説をするほか駅利用者一人一人とあいさつを交わす。陣営の狙いは「行き場を失ったかつての第三極支持層の関心を引きたい」。

 別の自民前職も思惑は同じ。みんなの党に属していた県議を個人演説会の弁士として招待し、「やっと日本経済が上向きになってきた。自民政権の継続に期待している」と激励を受けた。二年前は同一選挙区で対立した関係だが「応援してくれるのだからありがたい」(陣営関係者)と票の積み上げに期待する。

 一方、民主県連の今江政彦幹事長は知事選で支援した元民主衆院議員の三日月大造氏と嘉田由紀子前知事が協力して結成した「チームしが」による勝利の再現を狙う。

 嘉田前知事は今選挙で民主候補を側面支援。二年前には日本未来の党を率いて八万三千票(県内比例票)を獲得しており、嘉田前知事の名前に期待を寄せる。さらに陣営関係者は「みんなとは生活重視の政策など近い部分もあった。そうした点も強調したい」と意欲を見せる。

 共産県委員会の奥谷和美委員長は、相次いだ第三極の消滅や解党に触れ「第三極が自民と対決できないことがこの二年で分かった」と自党の存在感をアピール。無党派層が厚い若者向けにチラシを配り、雇用問題や消費税増税中止、平和外交などを訴える。

 維新の党県総支部の谷永兼二幹事長は「小選挙区に候補者が多くいた方が比例の党勢拡大にもつながるが、昨年の参院選でも比例で一定の票(14・6%、八万四千票)は得られた。関西で維新の党は十分やっていける」と話す。

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◆選択肢減、有権者ため息

 前回衆院選で有権者の投票行動に大きく影響を与えた第三極の政党。わずか二年の間に分裂したり解党したりと、有権者の思いとは別のところで数が減少し、選択肢の少なさから一部には悩み深い選挙となっている。

 前回は維新に投票したという大津市長等、飲食店主督永かよ子さん(56)は「新しい風を吹かせてくれると思ったが、期待外れ」。

 既成政党と違う政策を考えてくれそうだと感じていたが「いつもけんか腰で、物事を進めるのにふさわしくない」と思うように。今回の選挙に「どの政党もぱっとしない」とため息をつく。

 みんなを支持していた長浜市大寺町、建築設計業坂井久泰さん(59)は今回、既成政党に票を投じるつもり。

 前回は国の借金を膨らませ続けた自民、民主両党に失望。期待を込めてみんなに投票したが、党はその後、渡辺喜美代表の借金問題に揺れた。「第三極も当てにならない。ふたを開ければたいしたことはなかった」

 前回、未来へ票を投じた米原市春照の会社員大野淳天さん(39)は、福島県の原発事故の報道に触れ、隣接する福井県の原発の危険性を意識。「卒原発」を訴える嘉田由紀子元代表に期待した。

 だが未来は分裂。「『脱原発』をそのまま進めてほしかった」と残念がり、今回も原子力政策に関心を寄せている。

 (衆院選取材班)