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滋賀ニュース

<現場の声から> 医療・福祉

風船を使ったゲームを楽しむ高齢者=米原市柏原の東部デイサービスセンター「はびろ」で

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 米原市柏原の東部デイサービスセンター「はびろ」。お年寄り六人がうちわであおいで風船を落とさないようにするゲームを楽しんでいた。

 その中の一人、田中有一さん(86)は年金を頼りにする独り暮らし。二年ほど前から足が悪くなり、つえは手放せない。週に三回施設を利用しているほか訪問介護を受けている。

 「灯油の値段や電気代も上がり、これからが心配」。四月の消費税増税で、買い物はできるだけ控えるようにしている。それでもいっぱいいっぱい。来年は介護保険料の改定時期で値上げが予想され、不安を感じている。

 月八万円の年金が頼みの綱という、市内のデイサービス施設に通う宮久保幸一さん(80)=米原市番場=も不安は消えない。「保険料が上がるかもしれず、増税でいいことはない」。

 二〇〇〇年にはじまった介護保険料は、三年に一度改定。第一期(〇〇〜〇二年)の県内平均二千六百九十五円は、第五期(一二〜一四年)に入り四千七百九十五円に。全国平均では二千九百十一円から四千九百七十二円と上がっている。

 国は今年六月、高齢低所得者の負担を軽減し、富裕層の保険料を引き上げることなどを盛り込んだ介護保険法の改正を行った。だが衆議院が解散し、再増税の先送りが決まり、先行きは不透明。

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 一方、介護の現場で働く人材の確保も難しくなってきている。厚生労働省職業安定局によると、介護関係職の有効求人倍率は〇九年には一・三三倍だったが、昨年は一・九一倍と人手不足が急速に拡大。地域包括ケアセンターいぶきの主任介護福祉士山本隆典さん(30)は「募集はかけているが集まりにくい。利用者が増えればこれまでと同じサービスが提供できるかどうか」と悩みを口にする。

 田中さんは選挙費用に七百億円もの税金が投入されることに「それだけのお金を使ってする意味があるのか。政治家と庶民の感覚のずれを感じる」と憤り、「自分たちの生活に還元されるようにしてほしい」と訴える。

 (木造康博)