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長野ニュース

<一票に託す> 選挙費用、南信は総額3億円

 十四日の投開票まで残り二日となり、最終盤に入った衆院選。ポスターの掲示板や選挙公報、期日前投票所など、選挙ならではの風景が街のあちこちで見られるが、これらの経費はすべて税金で賄われる。「選挙費の無駄遣いだ」という批判もあった今回の衆院選には、全国で約六百三十二億円がかかる。南信地域ではどれだけの税金が投入され、どう使われているのだろう。

 平日の午後六時。飯田市役所に設けられた期日前投票所に、仕事帰りの有権者が次々に訪れる。所定の用紙に必要事項を書き込んだ後、投票用紙に候補者名を書いて投票する。対応する市職員は五人。投票所が閉まる午後八時まで、手際よく手続きを進めていく。

 職員らの時間外手当はもちろん、投票用紙にボールペン、有権者の情報を管理するパソコンなどすべてが選挙費、つまり税金だ。

 選挙費は、国会議員の選挙経費について定めた法律で、投開票所を開設するための経費など国が負担する項目や基準額が決まっている。通常は国が各自治体で必要な経費を算定し、県を通じて交付する。今回は解散から公示までの期間が短かったことから、各自治体が経費を一時的に負担し、選挙後に国から交付を受けることになる。

 このため、今衆院選で南信でどれだけの経費がかかるかはまだわからないが、県によると二〇一二年の衆院選では、諏訪、上伊那、下伊那地方事務所管内全体で約二億七千万円、〇九年は約三億円かかった。

 前回選で、伊那市に次いで二番目に多い選挙費約三千五百万円がかかった飯田市は、今年の十二月定例会に上程した一般会計補正予算案でも、選挙費として約三千八百万円を計上している。

 その中で、最も額が大きいのが職員手当の千七百万円。期日前投票所の対応や、深夜までかかる開票作業にあたる職員に支払われるお金だ。

 ほかにも、臨時電話の使用料などの通信運搬費が約二百万円、投票箱を開票所へ運ぶためのタクシー代などの自動車借り上げ料四十二万円などがある。

 南信だけで見ても、わずか数週間の間に三億円近くも使い切る衆院選。飯田市の農業の男性(68)は「大きな金額だな」と驚きつつ、税金の無駄遣いという批判には「批判するだけでなく、選挙費をどう削っていくかを議論してほしかった」と話す。投票日まであとわずか。男性は「すでに多額の税金が使われているんだから、投票に行かないともったいない」と話した。

 (衆院選取材班)