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長野ニュース

「羽田王国」めぐり火花 激戦3区ルポ

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 「われわれは厳しい試練に直面している。私の命に代えても寺島君を当選させてほしい」

 上田市で九日夜に開かれた集会に、自宅療養中の羽田孜元首相から激励文が届いた。会場は静まり返り、寺島さんは頭を下げてじっと聞き入った。

 羽田元首相の後援会「千曲会」が根を張る上田市は有権者の約三分の一が住む大票田で、“羽田王国”の牙城。だが、前回選で後継の寺島さんは二千票差の接戦を強いられ、危機感が募っている。

 それでも陣営は「羽田の後継をアピールするしかない」と語る。選挙カーに息子で参院議員の雄一郎さんが乗り込み、「父の信念を継ぐのは寺島さんだけ」と繰り返す。

 上田周辺に攻め入るのが木内さんだ。

 「地元の道路予算を取る時、野党議員は大臣にお願いに行けますか? 地域のために選挙区から与党議員を出さないといけない」

 四日に東御市で開いた集会では上田周辺の公共事業計画を持ち出し、寺島さんとの違いを打ち出した。

 佐久市に地盤を持つ元県議で前回は同地域の得票数がトップだった。今回は公示後の第一声を上田市で行うなど切り崩しを狙い、十一月に隣の東御市に後援会を立ち上げ、外堀も埋める。「前回は三着で銅メダル。石にかじりついても金メダルを」と力を込める。

 前回、第三極の追い風を受け、寺島さんを追い詰めた井出さん。当選後は毎週末、上田、佐久両市の街頭で均等に街頭に立った。上田での勝負は接戦になると見込み、祖父で元官房長官の一太郎氏が築いた南佐久郡を中心とした“井出ブランド”を最大限生かす。

 住宅街では選挙カーを時速十キロで走らせ、家から出てきた人全員に対応している。陣営は「上田に注力している間に佐久で票差をつけて勝負を決する」と意気込む。

 唐沢さんは、安倍政権の批判票の受け皿になろうと独自の戦いを続ける。七日夕、JR上田駅前の演説では「アベノミクスで非正規労働者が百五十万人増えた」と訴え、聴衆から拍手を受けた。

 昨年の参院選で十五万票余りを獲得し、県内三位と健闘。唯一の女性候補という点もアピールし、女性だけの集会を開いて女性票の獲得に余念がない。