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三重ニュース

<選挙区ウオッチ> 5区、演説を分析

 衆院選もいよいよ終盤戦。5区では自民前職の三ツ矢憲生さん(64)、共産新人の内藤弘一さん(50)、民主元職の藤田大助さん(38)が広い選挙区を駆け回って舌戦を繰り広げている。訴えたいのは何か。じっくり演説に耳を傾け、分析してみた。=上から届け出順

◆地域活性化への熱意 三ツ矢憲生さん(64)自前

 自民政権の実績を強調しながら、地域活性化への熱意をアピールする。

 冒頭で「雇用は二年間で百万人増え、株価も上がった」とアベノミクスの効果を説明。株価上昇で年金や医療保険の運用益が「二年間で二十五兆円増えた」と評価し、持続的な景気回復への道だとして理解を求めた。

 ただ「アベノミクスには地方を発展させる姿勢が欠けていた」とも。中学時代まで毎朝、家業の牛乳配達を手伝った当時を「働くことの大切さも教えてもらった」と振り返った上で、「地方の景気を良くしないといけない。若い人が働く場を作らないといけない」と地域活性化の政策実行へ意欲を示した。

 比例代表との重複立候補を辞退した点にも触れ、「地域の皆さんの信任をいただかなくては。(選挙区で)負けて比例復活しても『地域の代表です』と私は言えない。一票でも勝って、堂々と胸を張って国会に行きたい」と叫んだ。(川原田喜子)

◆消費増税に頼らぬ道 内藤弘一さん(50)共新

 県内の民主商工会に勤務し、中小零細企業の経営者と向き合ってきただけに、消費税増税への批判に特に重点を置く。「業者は増税分を客にも取引先にも転嫁できず、身銭を切って納税している。家計も日本経済も壊す増税は、先送りでなく中止すべきだ」

 その上で消費税増税に頼らない「別の道」を提案。アベノミクスで所得格差が拡大していると指摘し「大企業や富裕層に応分の負担を課す税制改革をする。大企業の内部留保二百八十五兆円の一部を活用すれば、大幅な賃上げと雇用創出が可能」と声を張り上げた。

 農業ではコメの価格保障と農家の所得補償の充実、TPP参加への反対を表明。原発も、住民運動が県内の建設計画を白紙に追い込んだ過去に触れ、即時廃止を呼び掛ける。

 最後は政治とカネの問題。企業・団体献金と政党助成金が政治をゆがめているとし、「受け取らない政党だから自民党に対して徹底した追及ができる」と締めた。(福永保典)

◆解散意義や政策批判 藤田大助さん(38)民元

 演説は自民党への批判が半分以上を占める。今回の衆院解散の意義を疑問視し、「総選挙で六百億円以上の税金が使われる。仕組まれた唐突な選挙で、自民党が安定した議席を確保できるともいう。国民をなめている」と声を荒らげた。

 批判の焦点は経済政策へ。「異常な金融緩和とばらまきの財政出動で、古い政治を復活させようとしている」。前回の総選挙で落選して以降、地域住民の暮らしや労働の現場を歩き回った活動も強調しつつ、「暮らしが良くなっているという話を聞いたことがない」と憤る。

 集団的自衛権容認の閣議決定にも「私たちの知らないところで決められていく。一党支配が続いたからだ」と撤回を主張する。

 選挙への思いと理想の政治像も演説の定番。今回選挙での自身のテーマを「へこたれない」として、「若い政治家がへこたれて、尻すぼみしたら社会全体が沈滞していく」と若さと熱意もアピールした。(中平雄大)