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三重ニュース

<選挙区ウオッチ> 候補者調整、注目の1区

 終盤に差しかかった衆院選。安倍政権の2年間を問う師走の政治決戦で、三重1〜5区の候補者は何を訴え、どんな選挙戦を繰り広げているのか。各区の現場を記者たちがウオッチする1回目は、「候補者調整」で民主が維新に立候補を譲った注目区の1区。週末の候補者を追い掛けた。

◆厚い支持基盤で攻勢 川崎二郎さん(67)自前

 「この二年間の国と県の歩みに理解をいただきたい」。中部九県で最多選を誇る川崎さんは六日、津市内の集会所で大音声を響かせ、党と自らの実績に支持を求めた。

 選挙戦は、衆院議員だった祖父の代から連綿と続く後援会と地方議員がスクラムを組み組織戦を展開。厚い支持基盤を生かして党支持層を固め、推薦団体は三百以上に。公示後は二十〜三十カ所の企業・団体回りと最大六カ所での個人演説会を一日の日程に組み込む。陣営は「街頭での手ぶりも前回より反応がいい」と意気込む。

 六日は大票田の津市でミニ集会を重ね、アベノミクスによる雇用情勢や製造業の回復基調、地元の防災対策を強調。自公推薦で当選した鈴木英敬知事との連携もPRした。夜も伊賀、名張市で個人演説会を開き、精力的に訴えた。

 「支持なし層、民主支持層にも接近したい」と川崎さん。世論調査が自民優勢を伝える中、陣営は引き締めと支持拡大に走る。

◆固定票に上積み狙う 橋本マサ子さん(68)共新

 公示前は支援団体を回って支持を固め、公示後は朝夕の駅前など連日十カ所以上、街頭で声をからしてきた。六日夜は初めて地元の名張市で個人演説会に臨み、支持者に「一番の懸念は集団的自衛権と特定秘密保護法。今回の選挙は真剣に考えないと、国がとんでもない方向に行く」と訴え、周辺への支持拡大を呼び掛けた。

 従来の党支持層や自ら実践する女性の社会進出活動を軸に、浮動票や候補擁立を断念した民主支持層の取り込みを狙う。選対幹部は「名張市議を六期務め名張、伊賀地域では人望がある。津市では知名度が低いが、教職員の組合票などは他陣営に流れるとは思えない」と自信を見せる。

 「反応が増え、訴えが浸透してきた」と手応えを語る橋本さん。七日は県内唯一の女性候補として、女性支持者と津市内を奔走。若い支持者は駅前などで、消費税増税やブラック企業、原発再稼働の是非を問う「シール投票」を通じて橋本さんの訴えをPRした。

◆知名度生かして街宣 松田直久さん(60)維新

 週末は一分一秒が惜しい。六日は朝から津市内で人が集まる駅前や大型店を忙しく駆け回った。「反応はいい。与党の圧勝を伝える各種世論調査に、多くの有権者が危機感を抱いている」。この日は計十六カ所で街頭演説をこなしつつ、短い昼休みは事務所でカップ麺をすすり、かじかむ手を温めた。

 陣営の中核は、市内の中小企業経営者らでつくる個人後援会。本人は「組織もないが、しがらみもない。地方の本当の声を代表している」と自負する。公示後は元津市長の知名度を生かし、街宣中心の選挙戦を展開。合間に支援企業の忘年会に顔を出し「県都で長年不在の衆院議員の誕生を」と支持を訴える。

 前回選ほど党への“風”が見込めない中、陣営は「野党結集」を掲げ反自民・共産層の受け皿を目指す。伊賀、名張両市では街頭演説に地元の民主系県議が来る「協力」を実現。陣営幹部は「終盤に党代表クラスを応援に呼び、浮動票を取り込みたい」ともくろむ。

 (相馬敬、中山梓、滝田健司、安藤孝憲)