文字サイズ

岐阜ニュース

投票へ行こう!

期日前投票で一票を投じる市民ら=岐阜市役所で

写真

 衆院選は14日の投開票を迎えた。慌ただしい師走の選挙戦。同じく12月に行われた2012年の前回衆院選は、投票率59.32%(小選挙区)で戦後最低を記録した。

 「大義なき解散」との批判のもとで始まった今回の衆院選。世論調査によれば、「大いに関心がある」「ある程度ある」の合計は65.9%で前回の78%を下回り、投票率のさらなる低下につながるとの懸念もある。

 たかが1票、されど1票。意思を示すかどうかは有権者の手の中にある。

(松野穂波、小笠原寛明)

◆竹森正孝さん「権利と責任を感じて」

竹森正孝さん

写真

 日本の主権は国民にあります。国の将来を政治家に任せきりにするのではなく、私たちは政治の是非を精査しなければいけません。選挙は国民の要望を伝える場であり、投票は国民の責任でもあるのです。

 総務省の統計によると、二十代の投票率は全年代で最低です。大学でも「今は生活が安定している。政治は自分に関係ない」と、五年先、十年先を展望できず、社会に目を向けない若者が目立ちます。

 でも、考えてみてください。稼ぎ手の父親が事故に遭ったら? 大学卒業後に就職できなかったら? 今の生活から何かが欠ければ、社会からドロップアウトしてしまう可能性は誰にでも十分にあるのです。アベノミクスでは非正規雇用が増え、社会格差が広がりました。決して人ごとではないのです。

 安倍晋三政権は、集団的自衛権の行使容認をはじめ、判断を急ぎすぎている印象がぬぐえません。私たちは選挙で、今の流れでいいのか、立ち止まって考えてみる必要はないのか、正面から問うてみる必要があります。

 師走の総選挙で、前回衆院選の六割より投票率の低下が見込まれています。誰もが一票を投じられる社会は当たり前ではありません。過去には財産や性別などで差別があった。自分に投票権があることの意味をしっかり考え、主権者としての権利と責任をしっかり行使してほしいと思います。

 <たけもり・まさたか>1946年生まれ。政治学・憲法学者。岐阜市立女子短期大学長、元岐阜大地域科学部教授。著書に「ドキュメント:ロシアの『憲法革命』を追う」など。岐阜市在住。

◆丸山純平さん「政治に興味持つ契機に」

丸山純平さん

写真

 若者の投票率って低いんですよね。すごく損だと思います。お年寄りも僕たちも持っているのは一票だけ。二十代がたくさん投票すれば、政治家も若者の意見を無視できないんじゃないでしょうか。

 例えば教育。具体的には、国公立大学の学費を無償にしてほしいです。僕は高山市出身で、下宿しないと大学には通えない。学費と下宿費を合わせて、年間百万円以上の負担になります。地元の友人で進学したのは数人だし、弟も高卒で働いている。貧富の差や地域差で教育格差が生まれている現状を、政治でなんとかしてほしい。

 僕はずっと自分の一票に価値はないと思っていた。でも、在日韓国人の友人のひと言で意識が変わりました。「日本人は未来をつくる権利を持っているのに、なぜ生かさないの」。彼には憲法で参政権が認められていません。

 突然の選挙。僕も付け焼き刃の知識しかない。けれど、明確な争点も無いのに七百億円も使って総選挙をする日本はなんかおかしい。そう感じている人は、若者にも多いんじゃないかな。

 政治は難しいけれど、何か変だと感じたら、まずは一票を投じてみようよって言いたい。選挙はこれから何度も行われる。今回投票することが、政治に本当に興味を持つきっかけになるかもしれないですよね。

 <まるやま・じゅんぺい>1993年生まれ。岐阜大地域科学部3年。岐阜の魅力を発信するフリーペーパー「GIFT」を発行する学生団体「岐阜人(ぎふと)」代表を11月まで務めた。岐阜市在住。

◆ルーク・カーデンさん「自国の将来、議論しよう」

ルーク・カーデンさん

写真

 母国のオーストラリアでは、選挙の投票率は九割を超えます。というのも、入院などの正当な理由が無いのに投票に行かないと二十豪ドル(約二千円)の罰金が課せられるから。投票所には人が集まるから、食べ物の屋台も出ているんだ。

 けれども僕に言わせれば、今のオーストラリアの政治状況はひどいものです。アボット首相は金持ちに優しい政策ばかり行っているし、大企業に課している炭素税も負担を軽くして環境に配慮していこうという世界の流れに逆行しています。

 彼を選んだのは国民。だけど、僕たちもばかじゃない。支持政党や政策について普段から話し合うし、家族や恋人、友人と連れだって選挙に行く人も多い。積極的に政治を考えているから、前回の選挙を後悔している国民は多いんだ。きっと次は首相が交代するよ。

 日本では政治に無関心な人が多いそうだね。日本人は周囲に気を配る国民だし、政治に対する民度も高いと思っていたんだけど。

 僕は、安倍晋三内閣が集団的自衛権の行使を容認したニュースを聞いて、好戦的なイメージを持った。今後も彼に任せるのが良いのか、そうでないのか。家族や友人と議論し、日本人は自分たちが投じた票に責任を持とうよ。

 <るーく・かーでん>1973年生まれ。オーストラリア出身。8月に来日し、本巣市内の小中学校で英語指導助手(ALT)を務める。母国ではロックバンドのギタリストなど、ミュージシャンとして活動。本巣市在住。