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岐阜ニュース

<候補者たちの衣食住>1区、3区 選挙事務所の居心地は?

 衆院選で、候補者や陣営の人たちが拠点とするのが選挙事務所。支持者も数多く訪れるだけに、居心地の良さも重要な課題だ。そこで今回は、各陣営に事務所のおもてなし法を聞いてみた。

 (上から届け出順)

◆1区

■寄せ書きスペースを 野田聖子さん(54)自前

 入り口脇に、縦横一メートルほどの寄せ書きスペースを設けた。「選挙は年配の人たちが中心というイメージがあるので、若い人たちにも参加してもらいたくて」とスタッフ。後援会青年部の発案で始めた。

 本人のポスターを中心に、さまざまなメッセージが並ぶ。ハートで囲んだ中には「日本のため岐阜のためにがんばって」。花の絵と一緒に「心から応援します」。若い支援者たちのつづる熱い思いがあふれ、候補者を励ましている。

■手作り感にこだわる 大須賀志津香さん(55)共新

 「アットホームな雰囲気を出そうと、手作り感にこだわりました」とスタッフが話すとおり、支持者らが持ち寄った花を飾ったり、壁には激励の言葉を手書きした寄せ書きを掲示したり。赤の折り紙で作ったサンタクロースや、カラフルな千羽鶴も目を引く。

 事務所中央の大きなテーブルには、お菓子やミカンを準備。「喫茶店のように、和気あいあいとくつろいでもらえるようになれば」との思いが込められている。

■素の自分伝える場に 吉田里江さん(49)民新

 事務所を「ありのままの自分を市民に伝える場」と位置付け。話にじっくりと耳を傾けてもらえるよう、ここで毎晩開く一時間の個人演説会のうち、必ず四十分間は本人がマイクを握る。

 玄関先には、ペットボトルのふた入れを置いた。自身が設立にかかわったNPO法人が、途上国の子どもにポリオワクチンを贈るため集めているのに協力するためだ。「持ってきたついでに、少しでも話を聞いてもらえたら」との思いも。

◆3区

■暖房と温かいお茶で 園田康博さん(47)民元

 とことん人の話を聞くことを、本人もスタッフも心掛ける。選挙中は慌ただしいが「時間の許す限り聞く」という姿勢は選挙前と変えないつもりだ。寒い中の選挙戦だから、暖房と温かいお茶を用意している。

 二年前に落選した後には、たくさんの時間ができた。事務所に立ち寄った男性と、国の借金問題など心配なことを話し続けて、気づいたら五時間たっていたことも。「何げない会話から政策を考えることもある」という。

■笑顔と丁寧な対応で 服部頼義さん(56)共新

 白と水色が基調の軽やかなポスターを、入り口近くの目立つ場所に張った。党の県青年後援会が作ったもので、メンバーの写真と「安定した雇用を」「子育てしやすい社会を」などのメッセージ入り。「事務所が明るくなる、いいポスターだね」と好評だ。

 ここには、政治談議をしにくる人も多い。そんな時は、忙しくてもしっかり話を聞くのが事務所のルール。丁寧に、笑顔で一人一人に応対するのが、一番の“おもてなし”だ。

■美濃和紙で飾り付け 武藤容治さん(59)自前

 選挙事務所入り口の壁一面には、美濃和紙や原料のコウゾを使い、大きな木の枝と雪の結晶を描いた。

 ユネスコの無形文化遺産に、美濃市で作られる「本美濃紙」が登録されたことを祝し、ボランティアが制作。イメージカラーの青に、白い木の枝と雪の結晶が映え、クリスマス装飾のような雰囲気に。空いたところに、訪れた支援者の写真やメッセージを次々と張っていき、投票日には“葉”でいっぱいの大木に育つ予定だ。

◆記者の一言 

 身近な場所を学びながら回る「スタディーツアー」という旅が人気だ。例えば工場や市場の見学ツアー。私も最近、ウイスキー工場を楽しんだ。

 そこで提案。地元候補者の選挙事務所を巡るツアーはどうだろう。選挙戦の雰囲気が感じられるし、候補者に会えればなお良い。投票の参考になるし、何より政治が身近に感じられるはずだ。

 その面から見て現状の選挙事務所には不満。候補者の歩みをパネルにしたり、新聞記事のスクラップを置いてみたりと、来訪者に話題を提供する工夫はもっとできそう。選挙事務所の一番のおもてなしは、候補者の人となりを知らせることだと思う。

 (大島康介)