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岐阜ニュース

全候補予定者が女性 三つどもえの論戦、1区

 衆院選に向けて、各政党がそろって「女性の活躍推進」を公約に掲げる中、岐阜1区(岐阜市)では立候補を予定する三人がともに女性だ。今のところ、全候補予定者が女性なのは、ほかに大阪7区(吹田、摂津市)だけで、珍しい「女性目線の論戦」に期待の声も上がる。

 「候補予定者みんなが女性。純粋に訴える政策の勝負になる」

 衆院解散の翌日、自民前職の野田聖子さん(54)は党支部の会合で支持者に訴えた。男性中心の政治の世界で早くから少子化対策の重要性を訴え、党総務会長も務めた“自民の看板女性”の一人。これまでの選挙では女性ということで脚光を浴びた一方で、「男の方が仕事ができる」と軽んじられたことも。今回の「色眼鏡がない」選挙戦を楽しみにする。

 野田さんと、民主新人の吉田里江さん(48)、共産新人の大須賀志津香さん(55)は、いずれも子育てをしながら働いた経験を持つ。主張にはそれぞれ母親としての思いがにじむ。

 吉田さんは、安倍晋三政権の女性政策を「一部のエリート向けだ」と批判する。発展途上国の子どもを支えるNPOなどで忙しく働き、自分の子どもとの時間を満足に取れなかった思いがある。子育て中のママ友からは「正社員になれない」「保育所が満杯」などと不満の声は多く、仕事と家庭を両立させる難しさを感じてきた。「大多数の働く女性への目線が足りない」と施策の充実を訴える。

 「女性の三つどもえだけど、スーパーのタイムセールを気にするのは私」と庶民感覚をアピールするのは岐阜市議、県議を二十年近く務める大須賀さん。保育所を利用し、子育てしながら懸命に働いてきたが、議会で子育て支援の議論をすると、男性議員に「母親は家にいなきゃ」と平然と言われ、悔しい思いもした。

 衆院選は、集団的自衛権の行使容認など、子どもたちの将来に不安を感じる問題も争点。「党派の公約を超えて、女性目線での議論ができれば」と望む。

 所属する政党により主張の隔たりはあるが、共通するのが「女性の声を政策に反映させるには、女性議員が増えないと」。ただ、女性の出馬予定者は解散時点で百五十八人と、男性の六分の一ほど。二〇一二年の前回選の立候補者の割合とほぼ変わらず、女性の政治参加は進んだとはいえない。

 三重大の岩本美砂子教授(政治学)は「安倍政権は女性活躍をアピールするが男性の働き方を変えない限り進まない。女性の立場から、必要なのは何かを示す論戦をして」と期待する。