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岐阜ニュース

手探りネット選挙 参院選は効果いまいち

スマートフォンで交流サイト・フェイスブックを確認する立候補予定者=岐阜市内で(一部画像処理)

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 インターネットを使った選挙運動が解禁されて初めてとなる衆院選。投票率の向上につながるとの期待の一方で、昨年七月の参院選では投票行動にほとんど影響がなかったとの調査もあり、その影響は未知数な面がある。県内の立候補予定者でも、ネットを活用しているのは一部にとどまる。

 「効果がいまいち、分からなかった」。1区から出馬する民主新人吉田里江さん(48)は、ネット選挙解禁となった昨年の参院選にも出馬。その時の経験を振り返る。

 政策を訴える動画をネットで配信したが、有権者から反応はほとんど無かったという。普段から使っているブログは選挙期間中も続けるが「更新は少なめになりそう」。

 政党でネットの活用が目立つのは自民。5区から出馬する前職の古屋圭司さん(62)は「(与党の)われわれが解禁しようと言ったわけで、活用できるところはしていく」。ほぼ毎日、ブログとフェイスブックを更新。なりすましや誹謗(ひぼう)中傷といったリスクは感じるが「割り切るしかない」。

 4区から出馬する維新前職の今井雅人さん(52)が重視するのはフェイスブック。最近は朝の街頭演説の様子をその日の午前中に報告するようにしている。読者の「いいね!」は毎回三百〜五百程度で、「地元の方との広がりが期待できる」。

 1区から出馬する共産新人の大須賀志津香さん(55)はツイッター派。不特定多数に配るビラと異なり「相手から関心を持って見にきてくれるありがたいツール」と、ネットに期待する。ただ、時間の無い選挙戦の中でどれだけ書き込みの時間を割けるか。「やってみないとわからない」

 公益財団法人「明るい選挙推進協会」が昨年の参院選で、選挙情報をどの媒体から得たか有権者に尋ねたところ、テレビの58・6%、新聞の22・9%に対し、ネットは5・1%。政党や候補者のホームページやブログを見たのは8・5%、メールマガジンを受信したのは1・1%にとどまった。

 河村雅隆名古屋大教授(メディア論)は「ネットは選挙の関心が低い若者中心のメディアで、現状は候補者にとって“費用対効果”が少ない。国政選挙では個人よりも政党が重視される傾向があり、政党中心に発信するのも一つの手だ」と指摘する。

◆ネット運動の基本 メール送信、有権者に制約

 インターネットを使った選挙運動で、有権者は何ができて、何ができないのか。おさらいした。

 Q そもそもネット選挙って?

 A 候補者や有権者が選挙期間中、インターネット上で「私に一票を」「あの候補に投票を」などと呼び掛けること。ネット上で投票できるという意味ではない。

 Q 注意点は?

 A 電子メールの扱いだ。メールでの選挙運動ができるのは政党・候補者のみで、有権者には認められていない。「候補者の知らないところで、悪意のある情報が流される恐れがある」というのがその理由。候補者から受け取ったメールを転送することもできない。ただ、ホームページや短文投稿サイト「ツイッター」、交流サイト「フェイスブック」などには規制はない。

 Q では、有権者がメールでできることは?

 A 例えば、候補者に政策についての考えを質問できる。また、「あの候補には投票しないで」と呼び掛ける「落選運動」は、選挙運動とは解されないので可能だ。

 Q 未成年者もネット選挙はできるの?

 そもそも公選法は未成年者の選挙運動を禁じている。ネット選挙も同様に認めていない。

 (衆院選取材班)