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岐阜ニュース

解散に市民冷ややか 「選挙費用を福祉に」

 「アベノミクス解散」と、衆院解散を自ら称した安倍晋三首相。しかし、その恩恵は地方では感じられず、県内でも「なぜ今解散なのか」の不満はくすぶる。「政治のごたごたに巻き込まないで」「選挙の費用を福祉に回して」。三連休中日の二十三日、市民から漏れ聞こえるのは切実な訴えだ。識者はアベノミクス以外の争点も忘れないでと訴える。

 「今はじっくり腰を据え、地方を元気にしてもらわないといけない時なのに」。岐阜市の柳ケ瀬商店街で三十年、衣料品店を営む伊藤謙一さん(66)は解散の時期に疑問を呈する。この二年で店の売り上げは一割減った。「景気が上向いている感じはない。政治のごたごたに国民を巻き込まず、やるべきことをやって」と求める。

 子育て世代にも増税は大きな負担だ。一歳四カ月の長男を育てる大垣市藤江町、主婦米川恵さん(32)は、消費税が8%に上がった四月以降、紙おむつや長男の衣類をまとめ買いするたび「(増税を)ずしりと感じるようになった」。安倍首相が民意を問いたい気持ちは、分からなくはない。ただ「多くの議員は生活者の目線を忘れてしまっているのでは」と感じてしまう。

 関市上之保、無職加藤善行さん(74)は妻と二人合わせた月十万円の年金だけが頼り。再増税が見込まれる二〇一七年四月が今から不安だ。「物価は上がり、年金は増えない。お金をためようにもためられない」。選挙にも関心が持てないという。

 「野党も再増税反対とは、はっきり言わない」と批判するのは瑞浪市日吉町で建築会社を営む村瀬誠五さん(65)。住宅業界は消費税導入前の駆け込み需要が終わった後、厳しい状況が続く。

 高山市森下町、無職長瀬多美子さん(63)は、三年前から自宅で寝たきりの父(91)の介護に追われる。年金は下がり、介護保険料は上がった。その上の消費税再増税で、出るのはため息だ。「選挙をするお金があるのなら、福祉に回してほしい」

 (衆院選取材班)