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岐阜ニュース

「不満」でも「自分のため」 統一選ちらつく自民県議

 十二月二日公示、十四日投開票の衆院選に向けて、県議会自民党会派の幹部らは十九日に会合を開き、党県連の選挙対策本部を二十三日に設けることを決めた。集団的自衛権の行使容認や年内の衆院解散・総選挙などをめぐり、安倍政権に不満はある。だが、来春には統一地方選が控える。「自分の戦い」に向けて、衆院選に力を注ぐ。

 十九日の県議会棟。自民会派の八人が昼食をとりながら、今後の選挙態勢を協議した。話題のほとんどは、県議選などが行われる統一地方選。衆院選に関しては質問も出ず、全五小選挙区それぞれでベテラン県議が責任者に就くことなどを確認しただけで終わった。

 会合後、出席したある県議は口にした。「首相の突然の衆院解散は迷惑。でも、野党を勢いづかせたら統一選に影響する。結局、衆院選は自分のために動かざるを得ない」

 自民党が政権を奪回した二〇一二年の前衆院選。県内では強固な地方組織の支えもあって、五小選挙区すべてで圧勝した。ただ、その後について、ベテラン県議は「政権や党本部と、地方組織との距離が開いていった」と振り返る。

 今年六月、憲法の解釈変更による集団的自衛権の行使容認を目指した安倍晋三首相に対し、県議会の自民会派は慎重な検討を求める意見書案を提案し可決。支援団体である農協改革の再検討を求める意見書案も合わせて可決した。そして衆院の解散風が突然強まった十一月。党県連はすかさず「大義がない」と、年内の解散・総選挙に断固反対する決議を採択した。

 「安倍政権は地方軽視」−。県内の自民の地方議員には、そんな不満が根強い。経済政策「アベノミクス」の恩恵が地方には届いていないことや、統一選を控える地方議員に対する配慮に欠けるとも見られる姿勢が背景にある。

 そんな状況で突入する衆院選に県連幹事長の猫田孝県議は「政権には苦言を呈するかもしれないが、自民の地元候補者は別。それに、政権にだって意見する姿勢は必要と思う」。

 前回選に引き続き、小選挙区の議席の独占を狙う自民党。来春の県議選(定数四六)では、現有の三十議席からの上積みを目指す。県議の一人はつぶやいた。「今回の解散を疑問に思う地方議員は多いだろうが、統一選を考えると協力しないと。『この時期ならみんな動く』と政権が計算したとさえ思ってしまう」

(衆院選取材班)