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福井ニュース

<候補者に聞く 県内の課題>(上) 原発避難計画

 原発から放射性物質が飛散する過酷事故に備え、住民の避難計画を策定する地域は原発から30キロ圏。東京電力福島第一原発事故を踏まえ、従来の10キロ圏から広がった。だが、避難計画は原子力規制委員会の審査の対象外で、実効性は保証されていない。この点について県内小選挙区の候補者はどう考えるのか聞いた(届け出順)。

◆1区

■完璧な計画無理

 維新新人の鈴木宏治さん(41)は「(避難計画を規制委の審査対象に)入れた方がいいが、現実的には不可能」との見方を示す。「複数の原発で同時に事故が起きることも考えたら、完璧な避難計画なんてできない。安全対策ができれば、耐用年数以下の原発は動かしてもいいと思う」

■国が全面に支援

 自民前職の稲田朋美さん(55)は「総理を議長とする原子力防災会議の下で関係省庁が自治体の計画づくりを全面的に支援し、その内容も確認する」と国の計画への関わり方を説明。原発事故が起きた時は「国としても自衛隊など関係省庁の総力を挙げて全力で当たる」と理解を求める。

■ゼロ決断すべし

 共産新人の金元幸枝さん(56)は「避難計画の策定が欧米では運転許可の条件だと聞く。安倍首相は『日本の原発は世界一厳しい安全基準』だと言っているがおかしな話だ」と厳しく批判。「原発がなくても電力は足りており、今こそ原発ゼロの決断をすべきだ」と語気を強める。

◆2区

■審査項目対象に

 民主新人の辻一憲さん(49)は現在、自治体が責任を負っている避難計画について「国が責任を持つべきだ」と主張。さらに「規制委の審査項目に入れるべきだ」と踏み込む。その理由を「原発は国策だから」と説明し「責任の所在をはっきりさせるべきだ」と国の姿勢をただす。

■政府と整備推進

 自民前職の高木毅さん(58)は「規制委の審査対象外であっても政府が全面的に協力し、地域間の連携、要支援者の輸送手段、避難バス確保、渋滞抑制、自衛隊、海上保安庁などの実動部隊の体制づくり、避難道路整備などを進め、計画の実効性を確保することによって是とする」と主張する。

■訓練で課題露呈

 原発ゼロの決断を訴える共産新人の宇野邦弘さん(63)は、関西電力高浜原発での事故を想定して県が八月末に行った避難訓練で、多くの課題が露呈したことを指摘。「原発事故の際には瞬時の避難が求められる。計画自体がずさんな状態で再稼働するなんて論外」と切り捨てた。

 (衆院選取材班)