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福井ニュース

<候補者の横顔> 1区

 衆院選が公示され、各候補者は選挙区各地に選挙カーを走らせ、懸命に支持を呼び掛けている。街頭や集会での演説などからはうかがえない候補者の横顔を小選挙区別に紹介する。(届け出順)

◆まな娘が政治の原動力 鈴木宏治さん(41)維新

 前回二〇一二年の衆院選に続き二度目の挑戦。この二年間、平日は毎朝、街頭に立った。訪問した先は三万軒に上る。寒さや辛さこそあれ、一銭にもならない活動。「自分はなぜ政治をやるのか」。自問自答を続けた。

 出した答えは「子どもたちのため」。今年四月に生まれた長女愛ちゃんがそう思わせてくれた。「娘がにこっと笑うと(疲れも辛さも)全部忘れる。子どもたちに立派な国、福井県を残さないといけない」

 妻は福井市議。だから家事も育児も分担する。保育園に迎えに行き、風呂に入れ、ミルクを飲ます。おむつ替えもお手の物。夜は娘を膝に乗せてパソコンに向かう。事務所の片隅にはベビーベッド。まな娘は選挙戦を乗り切る原動力だ。

 「洗濯が一番好き。山のようにたまった娘の洗濯物が洗濯機を回す度に減っていくのは爽快感がある。ただ、子育てがこんなに大変だとは思わなかった」

 以前は少子化問題もじっくりと考えたことがなかったが、今は違う。「女性の社会進出というけど、女性じゃない。男がどれだけ家事に責任を持つか」。イクメンの口調は自然に熱を帯びる。

 (高橋雅人)

◆地元愛、眼鏡もおなじみ 稲田朋美さん(55)自前

 前回選挙後に環境は激変した。行政改革や日本独自の文化を海外に売り出して経済成長につなげる「クールジャパン戦略」を担う内閣府特命担当相として活躍。今年九月には県選出国会議員で初めて党本部の政調会長に就任した。「全ての政策の取りまとめをする立場になり、非常に幅が広がった」。政治家としての成長を実感できる二年間だった。

 「無我夢中で全速力で頑張ってきた」のが誇りではある。ただ、JAの中央会制度の見直しをはじめとした党の政策を、地域へ十分説明する時間も持てなかった。毎週末のように帰福し、支援者らと触れ合って過ごしていただけに「歯がゆい思いもした」のも正直なところだ。

 だから、愛着がある地元での思い出を振り返ると、どうしても目に涙が浮かんでしまう。それをぬぐい「自分の居場所はここしかない。原点に戻って頑張りたい」と言葉に力を込める。

 「クールジャパン戦略」の一環で、福井の眼鏡を身に着ける姿はすっかりおなじみに。所有する眼鏡は十二本で「TPOなどに応じて使い分けている」。しかし、実は「視力はいい」とのこと。

 (桂知之)

◆四半世紀、赤がシンボル 金元幸枝さん(56)共新

 「国民を苦しめる安倍暴走政治をストップさせます」「消費税10%増税は先送り実施ではなく、絶対に中止」。冬本番が近づき始めた街角に、張りのある声が響く。三十一歳での初出馬も冬だった。

 「赤旗記者として県内を駆け回っていた」と聞けば「女闘士」のイメージが湧くが、実は「(取材先の)トイレの鏡の前で質問の練習をしないとダメだったほどのあがり症」。しかし、原発取材や消費税反対の署名活動の中で感じた「国民不在の政治」への怒りやもどかしさがそれを上回った。

 そして四半世紀。「今までで一番、皆さんの率直な思いを代表できる自分じゃないかと思う」。年を重ね、子どもの教育や親の介護など実感を持って訴えられることが増えた。くじけそうになっても市民の声なき声に背中を押された。聴衆と話し込んでもらい泣きすることも。「『頑張らないと』って、力が入るとね」とはにかむ。

 最初の選挙でみんなからのカンパで買った赤いスーツを、お守りのようにまとって以降、シンボルカラーを赤と決めた。全力疾走を続ける日々の中で「愛犬タロウとの散歩がホッとするひととき」。

 (北原愛)