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福井ニュース

<激動 解散は突然に>(下)野党 反自民、連携どこまで

 「第二極と第三極が競って第一極を利するのはやめようと、二年間根回しをしてきた。その結果、1区は維新に絞ってもらった」。二十六日の出馬会見。維新新人の元県議鈴木宏治氏(41)は、自身を野党統一候補として位置付けた。

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 小選挙区で野党が乱立すれば共倒れし、自民が独り勝ちする「一強多弱」を再現するのは確実。民主、維新、社民三党の県内組織は「反自民」を旗印に水面下で連携を模索する。まだ具体的な形が固まる前だが、鈴木氏の言葉には何とか他党の支持層を取り込もうとする思いがにじむ。

 狙うは旧2区で前回民主の糸川正晃氏が集めた三万八千票だ。旧2区のうち、あわら、坂井、勝山、大野の四市が新1区に含まれる上、民主は新1区に候補者を立てていない。

 戦略を象徴するように元県議の藤野利和氏が選対本部長に就いた。民主党県連副代表を務め、昨年の参院選は民主公認で立候補した。十月に離党したとはいえ、民主党とのパイプは残り「(互いに)推薦できるといい」と期待感を示す。鈴木氏は「僕を応援したい民主党議員はいっぱいいる」と強気だ。

 新2区にNPO法人理事長の辻一憲氏(49)を擁立した民主は、野党連携の必要性は認めつつも、すんなり踏み切れない。鈴木氏は前回衆院選で民主を離党し、維新から出馬した。「党を割って出た」「われわれに牙をむいた」。党県連内にわだかまりが残る。

 維新とは安全保障や憲法をめぐる姿勢に大きな溝がある。特定業界や労組への依存を排除した政治を訴える方向性も、連合を支持団体に持つ民主は受け入れにくい。玉村和夫県連幹事長は「1区に候補者を立てないことが大きな意味での選挙協力」と踏み込んだ連携の難しさを示唆する。

 「政策は『反安倍』。細かく言い出したらまとまらない」と割り切るのは社民党県連の龍田清成代表。1、2区とも候補者を立てない社民にとって連携の利点は大きくないが「自民の独走阻止」を優先する。民主とは「かみ合わせの良さ」(森永慶治幹事長)もある。辻氏の父は元民主党衆院議員だが、さかのぼれば社会党(現社民党)の衆院議員だ。本人も平和憲法を守る市民活動で社民党員と一緒に活動している。

 三党それぞれの思惑を抱えながら二十八日に一つのテーブルに着く。どんな連携のやぐらを組むのか。公示前の焦点となる。

 一方、連携の枠組みづくりから外れた共産党県委員会。南秀一委員長は「マスコミは『共産は独自の戦い』と言うが、日頃の主張通り戦っているだけ」と淡々と話す。陣営関係者は三党連携の動きに「『反自民』の看板を掲げても、政策は自民と何ら変わりない」と冷ややかな視線を送る。

(この企画は、桂知之、塚田真裕、高橋雅人、西尾述志、北原愛が担当しました)