文字サイズ

中部ニュース

復興、防災訴え 御嶽など災害続発、対策声高く

 御嶽(おんたけ)山の噴火や長野県北部の地震など今年相次いだ大規模な災害の被災地では、衆院選候補者が復興、防災に関する主張を繰り広げている。南海トラフ巨大地震の発生で津波や浸水などの被害が想定される海抜ゼロメートル地帯などでも、防災は選挙戦のテーマの一つになっている。

 「公共工事に多額の金をつぎ込むより被災地支援に回す方が大切だ」。長野4区、御嶽山麓の長野県王滝村で、民主元職の矢崎公二さん(55)は公示翌日の三日、声を張り上げた。

 五十七人が犠牲になった噴火は、王滝村や隣の木曽町の主要産業の観光に深刻な影響を及ぼした。木曽町では同じ日、自民前職の後藤茂之さん(59)が、窮状を訴える原久仁男町長らを前に「皆さんが何とかしのげるよう補助事業で地域を支えたい」。共産新人の上田秀昭さん(60)は四日、木曽町で「国が大学の予算を削り監視体制不備につながった」と政権を批判した。

 御嶽山の岐阜県側の高山市などでも、風評による宿泊キャンセルが相次いだ。高山市を抱える岐阜4区の共産新人、伊嶌明博さん(63)は「風評被害の一部補助など行政が積極支援すべきだ」と主張。維新前職、今井雅人さん(52)は周辺が危険という印象を振り払う政策が必要とし「地域の良さを伝える宣伝をすべきだ」。自民前職の金子一義さん(71)は「天変地異は避けられない。耐えるために必要な事業はやる」と災害に強い道路の建設を見据える。

 最大震度6弱を観測した十一月の長野県北部の地震で、計七十七棟が全半壊した長野2区の同県白馬村と小谷(おたり)村。維新前職、百瀬智之さん(31)は四日、両村を回り「地震の際はどう避難するかを共有しておく仕組みが必要だ」。倒れた電柱が道路をふさぐと避難や復旧に支障が出るため「電線の地中化を進めるべきだ」とも。「政府と被災地の橋渡し役になる」と訴えるのは自民前職の務台俊介さん(58)。「観光客らの足が遠のくことが心配だ。スキー場は被害がなく、安全だと発信していく」と力説する。

 愛知県弥富市などの愛知9区は広大な海抜ゼロメートル地帯を抱える。県が五月に公表した南海トラフ地震の新たな想定では、堤防決壊などの被害が従来より大幅に増えた。自民前職の長坂康正さん(57)は「地域の必要性を役所に言い続けないといけない」と排水ポンプ新設などを求める。民主元職の岡本充功さん(43)は「今後も防災対策をするのは当然。堤防の強度の確認や川の浚渫(しゅんせつ)などをしていかなければいけない」と訴える。

 甚大な津波浸水被害が想定される三重県伊勢市などの三重5区。自民前職の三ツ矢憲生さん(64)は「今後も堤防の補強、避難場所の確保が必要」とインフラ充実を求める考え。共産新人の内藤弘一さん(50)は「与党が進める対策は住民目線がない」と批判。民主元職の藤田大助さん(38)は「避難経路などソフト面充実に取り組むべきだ」と話す。