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中部ニュース

民主ほころび「共倒」恐れ 空白区次々、王国愛知でも

 「自民一強」に野党が挑む構図の衆院選。かつての政権政党で本来、戦いをリードするはずの野党第一党、民主党が中部地方の選挙区で候補擁立を相次いで見送った。「空白区」では野党共闘で出馬した候補の支援に回るが、長年の民主支持者からは「応援する気になれない」など戸惑いの声が漏れている。

 「民主王国」と言われた愛知県。愛知12区は民主前職の中根康浩さん(52)が公示直前に出馬を見送り、一九九八年に今の民主党ができてから県内十五選挙区で初めて空白区ができた。

 選挙協力を進める維新の党の前職、重徳和彦さん(43)との競合を避ける民主本部の要請だった。四日には比例単独に回った中根さんを激励するため細野豪志元幹事長が訪れる気の使いよう。ただ、県連幹部は「民主の地盤を失うことにならなければいいが…」と懸念を示す。

 愛知14区では、生活の党から復党した前職の鈴木克昌さん(71)を公認し、何とか空白区を免れた。

 岐阜県は、五選挙区のうち二選挙区が空白区。このうち岐阜4区では、一昨年秋に民主を除籍になった維新前職の今井雅人さん(52)の支援に回るが、地元の民主系市議は「労働組合関係者ら、自分の支持者に維新候補を応援してとは言えない」と悩む。2区は野党共闘の候補すら擁立できず、七十代の男性有権者は「政党はどんな状況にも対応するのが肝心で、民主が勝負を諦めたのは残念。猛反省が必要」と批判。県連代表の小見山幸治参院議員も「選択肢をつくれず申し訳ない」と語った。

 党県連の内紛が原因で擁立できなかったのは三重4区。当初は衆院議員を二期務めた元職が公認に内定していたが、来春の県議選の候補者選びをめぐる内部対立で総支部長を衆議院解散直前に辞任。内定も取り消され、後任を探したが、間に合わなかった。県連は「責任を感じているが、比例票を死守したい」と話すものの、支持母体、連合の地元組織で支援してきた伊藤圭一さん(50)は「候補者がいないと比例への士気も高まらない」と嘆く。

 福井1区は民主を離党した維新の新人、鈴木宏治さん(41)が立候補。ただ、党を飛び出した過去のしこりや支持母体である労組の反発などから民主県連内で支援に抵抗感が強く、結局、自主投票に。民主のドタバタ劇に、支持者の一人は「棄権しろと言うのか」などと怒りをあらわにしていた。